トー横・病み界隈に“居場所”を求めた23歳女性が踏み出した一歩「欲望に忠実な人間なので(笑)」
強欲のモメたん。一度聞いたら忘れられないインパクトのある名前の彼女は、“トー横”や“病み界隈”と呼ばれるコミュニティから飛び出した、23歳の次世代アーティストだ。昨年11月に詩集『刺激中毒』(リブリオン)と写真集『わたしの全てにいいねして』(東京ローレライ)を同時発売した。
詩集には20代の女性ならではの感性で書かれた言葉が並ぶ。写真集ではあどけない表情ながらセクシーな肢体を披露する。そんなモメたんは、10代の頃からリストカットやオーバードーズ(市販薬の過剰摂取)を繰り返し、自殺未遂から精神科の入院も経験しているという。今回は彼女の“今”を作り出した壮絶な半生に迫った。
——どうして「強欲のモメたん」と名乗るようになったのですか。
モメたん:私の人生って10代の頃から薬物依存症になったり、ホス狂いになったり。よくよく考えてみると、欲望に忠実な人間だなって思って。自分が強欲だなって自覚するためと、周りにも忠告する意味を込めてつけました(笑)。
——小さい頃は、どのような家庭環境で育ったのですか。
モメたん:パパとママの家庭内での喧嘩が激しくて。それをずっと見て育った感じですね。二人の喧嘩がすごくて、近所の人から警察を呼ばれてしまったこともありました。最初は、親の仲が悪くても平気だったのですが、だんだん思春期になるにつれてつらくなっていきました。
——周りに家庭環境がつらいというSOSを出したりはしなかったのですか?
モメたん:やっぱり、同じような環境の子じゃないとピンときてもらえない。だから言っても無駄だなって考えていた。周りからもかわいそうって思われたくなかったから、学校には普通に通っていました。かわいそうよりも、キラキラしていたいっていう思いがあったので、自分の話はしないで一人で抱えていました。
——絵や詩はいつ頃から?
モメたん:物心がついた時からですね。家の中に居場所がなかったから、絵を描いたりするのが逃げ場みたいになっていたのかも。中学の時には美術部に入って、自分にとっては友達と遊ぶのと同じ感覚で、ずっと絵を描いていました。
——お聞きしていると、親の仲が悪かった以外はごく普通の学生生活を送っていますよね。
モメたん:そうかもしれないですね。高校卒業後は、看護学校に進学しました。父親がアルコール依存症だったので、よく介抱をしていました。その時に、看護師になったら役に立つかもしれないと思って、看護系に決めました。
——そこからは、順調でしたか?
モメたん:いえ。せっかく勉強をして学校に入ったのですが、1年くらい通って休学しました。それまではちゃんと休まず通っていたのですが、精神を病んでしまって入院することに……。結局、看護学校は休学になってしまったので戻りづらかった。でも、思い返せば17歳くらいから精神的におかしかったって思う。
親の喧嘩で警察が来ることも
「家の中には居場所がなかったから」

出版社やWeb媒体の編集者を経て、フリーライターに。趣味はプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ。X(旧Twitter):@rizeneration
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