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NHK朝ドラ『らんまん』。坂本龍馬“天狗”の深い言葉は、今後の伏線か

話題になった“天狗”

らんまん

©NHK

 第1週は、幼少期の万太郎に起きた出来事や植物学者を目指すきっかけが描かれた。ネット上では、第2,3話に登場した“天狗”が話題に。1867年3月、万太郎が出会った天狗こと坂本龍馬は、史実では高知にいないはずだからだ。 「龍馬って高知にいたの…?」「そもそも龍馬を出す必要はあったのか?」などの声があがったが、安易に龍馬を出したわけではないことは、龍馬が万太郎にかけた言葉からうかがえる。
らんまん

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 NHK高知放送局『こうちWEB特集』での取材によると、坂本龍馬を登場させたことについて本作のチーフ・プロデューサーを務める松川博敬氏が「土佐出身のふたりは活躍の場こそ違えども、一途な思いを持ち続け、常識にとらわれずに生涯を駆け抜けた。我が道を行くその姿は周囲を引き付け、愛される存在でもあったことが重なりました」と話している。 「いらん命らあ、ひとつもない」 「何かひとつ、事を成すために生まれてくるがじゃ」 「さあ望みや!おまんは何がしたいがぜ?」  ネガティブな思いをもつ万太郎に龍馬がかけた言葉はあまりにも深い。この言葉により、幕末を駆け抜けた龍馬と、生涯植物学に没頭する将来の万太郎が重なり合う、印象深いシーンとなった。“天狗”は坂本龍馬でなければならなかったのだ。

万太郎の“天真らんまんさ”に注目

 重たいテーマの第1週ではあったが、今後を描くのに欠かせない伏線が多くあったように思う。幼少期はストーリーの助走。そう思って観始めたらとんでもない。子役たちとベテラン俳優たちそれぞれがもつ凄みが合わさり、厚みのある内容だった。第5話まではよく涙を流した万太郎だったが、『らんまん』のタイトルのごとく、2週目以降は彼がもつ天真らんまんさに注目したい。  第5話のラストシーンで万太郎の口から出た「わしはこの花の名前が知りたい!」という望み。シンプルで子どもらしいこのセリフは逸品だった。名前が知りたい。学者への道の第一歩は、その一心だったのだと理解できる。
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サブタイトルの植物もカギとなる?
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興味や思考・気づきを活かすエンタメ系ライター。『エンタメNEXT』『NewsCrunch』などでも執筆。エンタメ以外の趣味は散歩。話を聞く・会話をすることが好き。Twitter:@moeeeee_k
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