更新日:2023年09月08日 06:56
お金

「ローン完済後に無価値になる家」とは。一級建築士が指摘する“残酷な現実”

せっかく住宅ローンを払い終えたのに…

 先ほどの話から見えてくることがあります。それは「住宅ローンを払い終わるころには家がダメになる」ことです。 「やっと自分の持ち物になる」と信じて払い続けたのにもかかわらず「そろそろ建替えませんか?」という悪夢のような現実が待っているのです。

60代から家を建て替える?

 住宅ローンを払い始めるのが仮に30代だとすると、終わるのは60代です。60代から家を建て替える、または建て替える際と同様レベルの改修工事が必要となるとは多くの人が知りません。そうならないためにどうすればいいのでしょうか?  30年先に建て替えるか大改修する費用を積み立てるか資産運用する必要が出てきます。ちなみに、30年で2000万円積み立てるとすると、年間70万円弱必要になります。月で割ると5.8万円です。  この金額を見て、ぎょっとする人も多いのではないでしょうか? 「耐久消費財の家」の場合、避けては通れない話なのです。
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中古の家を再利用するとしたら
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1970年、神戸市生まれ。一級建築士、株式会社G proportion アーキテクツ代表取締役。「地球と人にやさしい建築を世界に」をテーマに、デザイン性、機能性、省エネ性や空間が人に与える心理的影響をまとめた空間心理学を組み込みながら設計活動を行っている。これまで120件の家や幼保園、福祉施設などの設計に携わってきた。クライアントには、上場会社の経営者やベストセラー作家をはじめ「住む人が幸せになる家」のコンセプトに共感する人が集い、全国で家づくりを展開中

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