「ローン完済後に無価値になる家」とは。一級建築士が指摘する“残酷な現実”
こんにちは、一級建築士の八納啓創と申します。会社員の方から上場企業の経営者宅まで、住む人が幸せになる家をテーマにこれまで120件の家づくりの設計に携わってきました。
『日刊SPA!』では、これまでの経験を生かし、「これからの時代に必要な住まいの姿」をテーマにお伝えしていきます。今回お伝えするのは「一戸建ての家は不動産として資産になりえるのか?」という話です。
日本の家は、他の先進国と比べると歴然とした違いがあります。それは、家の平均寿命です。フランスやドイツで60年、アメリカで70年、イギリスで80年と言われているなか、日本の家は30数年しかありません。日本の家の平均寿命が短い理由については、大きくふたつあります。
一つは、1970年以降30年ぐらいの間で家電製品など含め、住宅設備の内容がガラッと変わったことと経済成長期が伴ったことで、リフォームするより建替えた方が良い考えが一般的になり、30年以内に建て替える家が多かったこと。
もう一つは、純粋に木造住宅の仕様が30年程度しか持たない内容だったためです。
30年程度しか持たない家は、不動産というよりも、10年や20年で買い替えが必要になる家電製品などの耐久消費財と同様と言われても過言ではないのが現状です。
ここからも分かる通り、日本の家の多くは30年程度しか持たない耐久消費財なので、不動産としての価値がなくなってしまうのです。
日本の家は平均寿命が短い?
不動産というよりも…
1970年、神戸市生まれ。一級建築士、株式会社G proportion アーキテクツ代表取締役。「地球と人にやさしい建築を世界に」をテーマに、デザイン性、機能性、省エネ性や空間が人に与える心理的影響をまとめた空間心理学を組み込みながら設計活動を行っている。これまで120件の家や幼保園、福祉施設などの設計に携わってきた。クライアントには、上場会社の経営者やベストセラー作家をはじめ「住む人が幸せになる家」のコンセプトに共感する人が集い、全国で家づくりを展開中
記事一覧へ
記事一覧へ
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ