更新日:2023年09月08日 06:56
お金

「資産価値が減っていく家」一級建築士が“豊かに暮らす”6つのポイントを伝授

3:修繕積立費を積み立てていく

 マンションなどでは、修繕積立費を毎月2万円ほど積み立てるのが一般的ですが、一戸建ての持ち家の場合は、こういった必要がありません。しかし、設備はどんな家でも20年程度しか持たないこともあり、修繕積立費は一戸建ての場合でも必要です。  ちなみに、日本では「メンテナンスフリー」の素材が人気です。文字通り手入れが不要なわけですが、実は他の先進国では人気がありません。なぜなら「メンテナンスフリーの素材は使い捨て」で「メンテンナンスが出来る素材はずっと使える」ことが知られているからです。  例えば日本で人気の「ビニールクロス」は10年程で色がくすみ、張り替えないと汚らしい感じになります。また、「複合フローリング」も時間が経つと表面が剥がれて補修が不可能になり、上から張り重ねるか張り替えるしかありません。  対してメンテナンスが出来る素材の一つ「塗り壁」は、補修などをすることで長い間使うことが可能です。  このように不動産としての家は、メンテナンスできる素材で組み合わせるからこそ、長い間手を入れて家の寿命を延ばすことが出来るのです。

4:こだわりすぎて転用しにくい家にしない

 持ち家は「自分の城」という考え方が古くから根付いているので、もちろん良い悪いの範疇の話ではありません。でも、こだわりすぎて「他の人が住みたくない家」になってしまうこともしばしば。 「一生その家に住む!」と思って手に入れた家でも、諸々の事情で手放す可能性は決してゼロではありません。あるいは、急な転勤でその家を人に貸し出す必要が出るかも知れません。  その時に、あまりにも個性が強く人に貸せない家になってしまっている場合は、不動産としての価値を保つのが難しくなります。逆に人に貸し出しても喜ばれつつ、自分のこだわりを掛け算したような家であれば、不動産としての価値も高まるでしょう。
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オリジナルの価値がある家にする
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1970年、神戸市生まれ。一級建築士、株式会社G proportion アーキテクツ代表取締役。「地球と人にやさしい建築を世界に」をテーマに、デザイン性、機能性、省エネ性や空間が人に与える心理的影響をまとめた空間心理学を組み込みながら設計活動を行っている。これまで120件の家や幼保園、福祉施設などの設計に携わってきた。クライアントには、上場会社の経営者やベストセラー作家をはじめ「住む人が幸せになる家」のコンセプトに共感する人が集い、全国で家づくりを展開中

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