「資産価値が減っていく家」一級建築士が“豊かに暮らす”6つのポイントを伝授
こんにちは、一級建築士の八納啓創と申します。会社員の方から上場企業の経営者宅まで、住む人が幸せになる家をテーマにこれまで120件の家づくりの設計に携わってきました。
『日刊SPA!』では、これまでの経験を生かし、「これからの時代に必要な住まいの姿」をテーマにお伝えしていきます。今回お伝えしたいのは「『資産価値が持続する家』はどのようにして手に入れることが出来るのか?」という話です。
実は日本に建つ家の大半が30年ほどしか持たない「耐久消費財」なのです。この残酷な現実から目を背けることはできません。ただ、価値を保つための方法をきちんと知っていれば、住宅ローンを支払いきるタイミングでリフォームor建て替えという新たな課題に直面する事態を避けられるはずです。
本記事では、6つの視点から「資産価値が持続する家」を手に入れる方法を紹介していきますので、参考にしてみてください。
30年程度である日本の家の平均寿命。これについては様々な対策が行われてきました。その一つが「長期優良住宅仕様」にするというもの。
これは、「多くの優良な住宅をつくり、手入れしながら長く大切に使うこと」を目的としてスタートされた制度です。
細かく言うと、さらに次項以降の項目と合わせて講じることがポイントになりますが、最低限「長期優良住宅仕様」以上にすることがポイントになります。
2023年時点で日本の「高気密高断熱化のレベル」は、他の先進国の半分程度しかありません。具体的には、平成28年省エネルギー基準によると「家の中が8度を下回らない」のが目安なのに対して、他国の最低基準は「13度を下回らない」程度で定められています。
世界基準に近づけるには、HEAT20基準のG3グレードにする必要があります。当然「初期費用がかさむのでは?」と考える人もいることでしょう。その懸念は間違いではありません。
しかし、光熱費が高騰し続ける現状から鑑みると、その差額分は10年以内に十分回収でき、それ以降はプラスに転じることが想定できます。詳しくは、家の新築時に設計事務所や施工会社で「温熱シミュレーション」をしてもらうと明確になります。
1:長期優良住宅仕様を指針にする
2:世界基準の「高気密高断熱化」を図る
1970年、神戸市生まれ。一級建築士、株式会社G proportion アーキテクツ代表取締役。「地球と人にやさしい建築を世界に」をテーマに、デザイン性、機能性、省エネ性や空間が人に与える心理的影響をまとめた空間心理学を組み込みながら設計活動を行っている。これまで120件の家や幼保園、福祉施設などの設計に携わってきた。クライアントには、上場会社の経営者やベストセラー作家をはじめ「住む人が幸せになる家」のコンセプトに共感する人が集い、全国で家づくりを展開中
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