更新日:2023年04月28日 01:55
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「70代、80代の区長が生まれ続ける」東京23区。高齢化が止まらない理由に迫る

高齢化が止まらない東京23区の区長

花川与惣太

6期目を目指して北区長選に出馬した花川与惣太候補は88歳(2014年撮影:小川裕夫)

北区も、花川与惣太候補が6期目を目指して立候補しました。政治家の資質や手腕を年齢だけで判断することはできませんが、それでも花川候補は88歳という高齢です。そんな人物に対して、再び次の4年間を託せるか?と問われたら、一点の曇りもなく「Yes」と応えられる区民は決して多くないでしょう。実際、北区長選は区議・都議を経験した山田加奈子候補が当選し、花川候補は涙を飲みました。 江東区でも、現職の山崎孝明区長が5選を目指して出馬する意向を表明していました。79歳の山崎区長は選挙直前の3月に体調を崩して、出馬を取り止めました。そして、4月に死去しています。 期ズレのために今春に区長選は実施されていませんが、2020年に5選を果たした荒川区の西川太一郎区長は80歳。2021年に4選を果たした葛飾区の青木克徳区長は74歳。いずれも高齢かつ長期政権を築いています。

高齢&長期政権には、東京ならではの理由が

東京23区の区長が高齢&長期政権になりやすいのは、東京という地域性にも理由がありそうです。東京は2005年前後から千代田区・港区・中央区の都心3区をはじめ、都心回帰の現象が鮮明になっていました。人口が増えれば、それに比例して立候補者は増えるように思えますが、現実は逆をいきました。 都心部に居住する多くの住民は、単身もしくは2人世帯です。こうした世帯は日々の仕事に忙しく、とても区政に興味を示せる余裕はありません。仮に興味を抱いても区政にタッチする時間まで捻出できません。 加えて単身世帯はすぐに引っ越しをしてしまうため、地域から余所者として扱われることも珍しくありません。ファミリー世帯は広い家を求めて郊外に移転することが多く、都心部に住み続ける世帯は少数です。
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立候補者が少ないのは必然か
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フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。首相官邸で実施される首相会見にはフリーランスで唯一のカメラマンとしても参加し、官邸への出入りは10年超。著書に『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)などがある Twitter:@ogawahiro

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