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“ひと味足りない”ときには砂糖を入れるべし。誰でも「自炊の飯が美味くなるコツ」を人気料理研究家が伝授

料理の学校に通ったことがない

――そうなんですね! でも、浸透圧や保水力、中心温度とか、やっぱり料理は科学ですね。 大西:私も最初は、料理は科学だと思っていたのですが、最近はちょっと考えが変わってきたんです。科学ではあるのですが、やっぱり根本は美味しいものを作りたいという気持ちや、頭を柔らかくして今までの常識を疑ってみようとする姿勢だと思うんですよね。 実は私は料理の学校に通ったことがないんです。自動車整備士、旅行会社の添乗員などを経て、30歳を過ぎた時にふと「自分は本当は何がしたいんだろう?」と考えたんですよね。もともと料理が趣味だったのですが、私が人に一番喜んでもらえるのは料理を振る舞った時だなって気づいて、料理研究家の道を歩み出したんです。

カレー研究が「料理の楽しさの出発点」

――料理が趣味になったきっかけは何だったんですか? 大西:もともと結構な凝り性でして、何かを調べたり、研究するのが好きな性格なんです。17才の時にカレーづくりにハマりまして、市販のルーの中で一番美味しいルーが何かを調べたんですね。そのうちに、いくつか美味しいルーがあるけど、その違いって何だろう? ルーの原料は複数のスパイスだけど、そもそもスパイスって何だ? って調べまくった時期があったんですよ。カレーの美味しさの理由を深く探っていったことが、私にとっての料理の楽しさの出発点だった気がします。
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料理は自由な発想で楽しむもの
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1980年東京生まれ。毎日新聞「キャンパる」学生記者、化学工業日報記者などを経てフリーランス。通信社で俳優インタビューを担当するほか、ウェブメディア、週刊誌等に寄稿

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