仕事

「初対面からタメ語」の“ギャルマインド”が、ビジネスの現場で求められているワケ

ギャル式ブレストで社会の掟という“呪い”から解き放つ

ギャル式ブレストの様子

多数の大手企業の方々と自主開催したギャル式ブレストの様子

 さまざまな職を渡り歩き、ギャルの魅力に気づき、ギャルマインド溢れる言葉を伝えていく。まさに、ともちんぱさんがやりたかったのが、ギャル式ブレストに全て詰まっていたのだ。  2人は意気投合し、ギャル式ブレストの仕事を始めることになる。  現在は、企業向けにギャルの立場から会議のブレストに参加するともちんぱさん。ギャルと真逆な“お堅い”場での振る舞いはどのようなことに留意しているのだろうか。 「サラリーマンだからと気を遣わず、あえて最初からタメ語で話すこと、思ったことをストレートに言うのを意識していますね。一方でギャルが怖いと思う人もいるので、ブレストが始まる前から緊張感をできるだけなくすために、気兼ねなく参加者に話しかけるようにしています」  ギャル式ブレストは、会社組織の慣習やルールに囚われない、新しい“気づき”を与えてくれる機会として、ニーズが高まっているという。 「サラリーマンはどうしても、社会のルールに忠実にいなくてはならない使命から、無意識のうちにその呪いにかかっているんですよ。ああしなきゃ、こうしなきゃと決められた規則や考え方に縛られてしまっている。それを解いていく役目がギャル式ブレストにはあるんです。  ブレストが終わった後には『子供の時に戻れたような気がする』、『自分の本心に帰れてよかった』という意見をもらうことが多い。なんでもYesではなくNoと言う。自分の意見をちゃんと伝える。ただの盛り上げ役ではなく、そのようなマインドに気づくきっかけを与えるのが仕事になっています」  だが、シチュエーションによっては、どうしても社会通念上、当たり前の礼儀を求められる場面もあるだろう。  そんなときは「全部ショートコントのネタだと思うと、ストレスなく過ごせる」とともちんぱさんはアドバイスを送る。 「『こうしなくてはならない』という気持ちを笑いに変えるよう意識すると、気が楽になると思います。表向きはしっかりと応対しつつも、心の中ではケラケラみたいな。  私はバイブスを上げるために、仕事以外は人が多い地上からはなるべく離れるようにしています。海か、空に近い高い場所、自然に触れられる大地にいることが多いですね」

今の時代はギャルマインドが求められている

ともちんぱ さらにともちんぱさんは今後、プロギャルとして新たなことに挑戦していくという。 「年内を目標に、恋愛に特化したカウンセリング事業を始めようと計画しています。恋愛は人生において、一生を通した課題で、男女間は異性ゆえに100%分かり合うのは難しい。でも、ギャル目線で恋愛と向き合ってみると面白そうだし、ギャルマインドで何かできないかと感じていて。ギャルのコンサル会社を立ち上げ、独立することが直近の目標ですね」  取材当日はゆっくりとした足取りで、ド派手なピンク色のシャツで登場したともちんぱさん。何度も何度も職を変え、傍から見たらふらふらしてそうに感じるが、確固たる信念を持って行動してきたからこそ、それがギャルとしての下地になっているのかもしれない。ギャルマインドで恋愛相談に乗るカウンセリング事業を始めるべく、まずは結婚相談所のバイトを始めるという。ともちんぱさんの今後の活動から目が離せない。  令和の時代、ブレない心で自分の気持ちに忠実に生きるギャルマインドが世の中に求められているのは、それだけ多くの人が建前や周囲の目などに縛られていることの裏返しなのだ。 <取材・文・撮影/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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