仕事

田舎町で働く“平均年収より稼げない”放射線技師の嘆き「有給すら取れない」

待遇改善を訴えたら病院幹部からまさかの…

「病院はなんとか人手不足を解消しようと放射線技師を常時募集していますが絶対数が少ないうえ、過疎の地域なので応募はほとんどないです。そもそも私も地元じゃなかったらこの病院で働くことはなかったでしょうから……」  また、大沢さんが所属する放射線部は病院内でも立場が弱く、発言権などはないに等しい。過去には上司の放射線技師が待遇改善を病院幹部に直訴したが、ゼロ回答どころか逆に叱責を受ける有様。しかも、この対応で見切りをつけたのか、それから間もなく病院を去ってしまったそうだ。 「募集かけても誰も来ないため、派遣の放射線技師を増やしてほしいという至極まっとうな要望だったんですけどね。また、上司は賃金アップについても訴えたそうですが、『放射線部だけ待遇を変えるのを無理。ワガママを言うな』って。その話を聞いて病院にほとほと嫌気が差しましたよ」

激務なのに平均年収以下…

 厚生労働省が発表した『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、診療放射線技師の平均年収は543万7400円。しかし、大沢さんの昨年の年収は約440万円。コロナ禍で出勤日数が多かった2020~21年でさえ500万円には届いていない。 「私のところは私立の医療法人なのですが、国公立の病院の相場よりも明らかに安い。それでいて市民病院などで働いている同業の友人たちに話を聞くと、明らかに私のほうが働いている時間が長い。もう働いてるのがバカらしくなっちゃいますよね」
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休みを申請しようとしても認めてくれない
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ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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