更新日:2023年05月31日 16:27
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「中国の恥を海外にさらすな」との声も…“中国国籍を捨てた男”の人生<漫画>

アシスタントとして日本で働くように

孫:初めて来日したのは2007年で会社の出張で1週間ほどの滞在でした。1か月以上の長期滞在したのは2013年9月頃が最初です。日本で漫画編集者さんと出会って、2013年に『中国のヤバい正体』を発売する頃までは、中国と日本を行き来していました。 ——中国で就職した会社を脱サラして日本で漫画家に? 孫:漫画自体は自分でずっと描き続けていたんですが、中国で途方もない夢を追いかけ続けるような感じでした。2013年に来日したとき、漫画関係者が集まるパーティーがきっかけで、本格的にアシスタントとして日本で働くようになりました。

中国国籍への未練は「全然なかった」

——タイトル通り、本書は日本国籍を取得後、初の単行本というということですが、中国国籍への未練はなかったですか? 孫:全然なかったですね(笑)。2021年に帰化したんですが、申請から審査を通るまで2年間かかっていて、申請中はずっと不安でした。すでに漫画の連載をしていたんですけど、ビザが切れると当然、中国に戻らないといけないので。 ——孫さん自身は中国国籍にあまり愛着がなくても、中国のご家族の反応はまた違ったのでは? 孫:僕の家族は祖父母も含めて親日的な家族なので喜んでいますよ(笑)。ただ、戦争の歴史もあるから日本に帰化したくても、親族から強く反対されたという中国人の友人もいます。やっぱり中国人の考え方も千差万別で、世代・年齢よりむしろ地域によるのかなと思います。
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中国と無関係な日本人はいない
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1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii

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