更新日:2023年06月12日 01:32
お金

30代で年収8000万だけど…エリート弁護士の家庭が「完全に崩壊した」理由

何をやっても「おもんない」

 かねてから熱望していた、描写をするのもためらわれるような異常性癖の実現によって、浜野氏の人生には明るい兆しがみえたのか。 「や、未だにおもんないですね。その一瞬だけはすべてから解放される気もしますが、あとは日常生活ですから。ひょっとしたら、永遠に僕の人生、おもろいことなんて起きないんじゃないですか」  浜野氏の人生に対する「おもんなさ」の根底には、成育歴も無関係ではないかもしれない。 「とにかく奔放な親父でしたから、うちは。勝手に仕事を辞めてくるわ、女は作るわ。おまけに、罪の意識もないので始末におえません。そのくせ無駄に社交的で外面がいいものだから、有象無象が寄ってくるんですよね。小さい頃はそういうのが嫌でした。家族に対する責任とか、あるいは人生に対する期待みたいなのがわかないのは、ひょっとすると通じているかもしれないですね」

虚無感の理由はわからないまま…

 やや自嘲気味に言ったあと、浜野氏はこう言ってやや顔を歪めた。 「まぁそんな昔の話をしても、おもんないですけどね。この虚無感の理由なんて、全然父親と関係ないことかもしれないですし。本当のところは私にもわからないんですから」  立派な肩書と反比例した、性愛にまみれた生き方。倒錯した性の根源には、人間臭さと不器用さと、少しの諦めがあるようにみえた。 <取材・文/黒島暁生>
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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