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ナイツ塙宣之が語る、ラジオとおじさんの魅力。ベテラン漫才師は「うなぎのタレ」みたいなもの

帯のラジオは、毎日舞台に上がるのと同じ

――ラジオ中心の活動をされていて、ほぼ毎日何かしらを語り続けることに疲れてしまうことはないですか? 塙:漫才と同じで、むちゃくちゃ飽きます(苦笑)。ただ、自分の中で大事にしてるのは、「1個でも言いたいことを作ってから舞台に上がろう」とか「このボケをどうしても試したい」とかってこと。  1個違うことやるだけでも、自分の中で「今日舞台に上がりたい」って気持ちになるじゃないですか。ラジオも同じで、1個だけでも言いたいことがあれば、あとは自然に任しちゃっていいのかなと思ってます。  あとは、“ラジオの人”として「お客さんが聴いてる」ってトコは常に意識してます。例えば「みなさんも聞いたことあると思うんですけど」って言い方をちょっと入れたりとか。そうしないと一方通行になって、「え、何しゃべってるの?」ってなっちゃう。  そこは伊集院(光)さんだったら落語だし、僕だったら漫才。漫才を客前でやってきたことで、ちょっと培ったものはあると思いますね。やっぱ常に目の前にお客さんがいると思ってやる。漫才で毎日舞台に上がるのと同じですよね。

「明日のラジオで3分はいけるな」

塙宣之――ラジオで話すエピソード作りには苦労するものですか? 塙:(しみじみと)そうですね……。でも、そこはもう職業病というか。さっきあるメディアのカメラマンさんから、「レフ板(写真撮影時、被写体に光を反射させる板)を使って一発ギャグやってくれ」って言われた瞬間に「これ明日のラジオで3分はいけるな」と思いましたもんね(苦笑)。  今までそんなこと言う人いなかったから、ありがたいと思って。あとその話をすれば、「レフ板」「カメラマン」って言葉から、番組で共演してる残りの2人が「そう言えばカメラマンって……」みたいに話が広がる可能性もあるじゃないですか。毎日そういうのをずーっと考えてます。忘れちゃうことも多いですけどね。  相方の土屋(伸之)とは、ラジオの前に寄席とかもあるし、土曜にラジオやって日曜に営業だからずっと一緒じゃないですか。家族以上に時間を共有してるから、「ラジオのために違うものを持っておかないと」って気持ちがどっかにありますね。
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静夫さんは思った以上に“ヤバい人”
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フリーランスの編集/ライター。元バンドマン、放送作家くずれ。エンタメ全般が好き。特にお笑い芸人をリスペクトしている。個人サイト「不滅のライティング・ブルース」更新中
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静夫さんと僕

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