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ナイツ塙宣之が語る、ラジオとおじさんの魅力。ベテラン漫才師は「うなぎのタレ」みたいなもの

爆笑問題の漫才はパーソナルなもの

塙宣之――塙さん自身はきれい好きで常識のあるご両親に育てられたそうですね。そんな環境にいたからこそ、逆に変わった人に惹かれてしまうところもあるのでしょうか? 塙:そういうところもあるかもしれないですね。漫才協会の師匠にしても変わった人のほうに惹かれてしまう。自分が割と普通の人なので、そっちに興味が出るんでしょね。それはやっぱり昔からそうです。 「この人、何でこういう感じなんだろう」みたいな気持ちがずっとあって、両親の反面教師でそういうことになってる気はします。ただ、一緒にいるのは普通の人のほうがいいし、別に変わった人が好きではないです(笑)。

若者にはない“変なおじさん”の魅力とは?

塙宣之――塙さんは漫才協会で早くから個性的な年配者と接する機会が多かったと思います。若者にはない“変なおじさん”の魅力とはどんなものなのでしょうか? 塙:漫才で言うと、若い人ってネタの力が強くないといけないんですよね。まずそれで商品を作らなきゃいけないから。それが歳とってくると、ネタなんかどうでもよくなってくるというか。パーソナルな部分が全部漫才に反映されるようになる。  何が言いたいかっていうと、歳とると若手みたいにネタを作れなくなってくるんですよ。やっぱり自分が新鮮に作れないんですよね。爆笑問題さんとかも毎月新ネタを作って「すげぇな」って思うんですけど、やっぱり作家さんもいるし、結局あの漫才ってパーソナルなものなんですよね。  例えば、田中(裕二)さんなら山口もえさんと結婚したとか、金玉片方なくなったとか。そういうのが面白くなってくるじゃないですか。うなぎのタレみたいに年数が経てば経つほど、どんどん味が深くなっていく。それがベテランの漫才であり、年齢を重ねた魅力だと思うんですよね。
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漫才協会の師匠たちに衝撃を受けた
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フリーランスの編集/ライター。元バンドマン、放送作家くずれ。エンタメ全般が好き。特にお笑い芸人をリスペクトしている。個人サイト「不滅のライティング・ブルース」更新中
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静夫さんと僕

変なおじいさんとのちょっとおかしな二世帯暮らし

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