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ナイツ塙宣之が語る、ラジオとおじさんの魅力。ベテラン漫才師は「うなぎのタレ」みたいなもの

静夫さんは思った以上に“ヤバい人”

――義父・静夫さんとの暮らしを綴った『静夫さんと僕 』(徳間書店)を拝読しました。一緒に生活する前は、あまりに天真爛漫な静夫さんとの同居に抵抗はなかったですか? 塙:今思うと、あまりそこを考えないで住んじゃったみたいなところもありますね。もともと静夫さんは団地の4階に住んでたんですけど、割ともう足が悪かったのもあって階段の上り下りが大変だっていうのを聞いてたんですよ。  僕も自分で初めて家を建てるから、「喜んでもらいたいな」って気持ちのほうが上回ってて、その後の生活のことは心配してなかった。ただ、もう設計とかも終わってる段階で「静夫さんが住みたくないって言い出した」となったから、それがけっこう大変で。  もうお風呂とかトイレも2個ずつ作るように頼んでたから、「何で今それ言うんだよ」みたいなのがあったんです。結局、何とか説得して事なきを得たんですけど、一緒に住んでみたら思った以上に“ヤバい人”だった(笑)。本にしないとやってられないぐらい。

奄美大島で静夫さんのお兄さんに挨拶

塙宣之――5月11日にYouTubeチャンネル『ナイツ塙の自由時間』で公開された動画(静夫さんの故郷・奄美大島に塙一家が訪問する企画)に、静夫さんのお兄さんが出演していましたが、ご本人もあんな雰囲気なんですか? 塙:歳は上ですけど、お兄さんのほうがお若いしお元気です。でも、しゃべり方とかは限りなく近いですね。「ちょっといいですか」と言ってから話をするんですけど、それがすっごい静夫さんに似てて。初めてご挨拶した時、ちょっと怖かったですもんね。  耳が遠いからなのか、あり得ないぐらいこっちに近づいて話してくる。それで、一瞬「えっ……」って戸惑っちゃうんです。それが静夫さんと同じだったので、あのご家族の間合いとかがあるのかもしれない。それがわかっただけでも、奄美に行って良かったですね。
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爆笑問題の漫才はパーソナルなもの
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フリーランスの編集/ライター。元バンドマン、放送作家くずれ。エンタメ全般が好き。特にお笑い芸人をリスペクトしている。個人サイト「不滅のライティング・ブルース」更新中
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静夫さんと僕

変なおじいさんとのちょっとおかしな二世帯暮らし

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