更新日:2023年09月08日 06:57
お金

「冷房代を節約するのは危険」一級建築士が警告する“深刻なリスク”

冷房を節約して起こるリスクとは…

 一つ目の問題は「熱中症のリスク」です。  暑い環境に体が適応できず、体温の調整がうまくいかなくなり、汗をたくさんかくことで、体内の水分や塩分のバランスが崩れることが原因。おもな症状は、めまい、だるさ、吐き気、嘔吐などです。  近年、家庭で熱中症にかかる高齢者が増えており、住宅での発生率が半数を超えています。ここからも、高齢者は冷房を節約することによるリスクが高いと分かります。  そしてもう一つが、「ダニの大発生」です。それは2011年の東日本大震災の年の夏のこと。電気を出来るだけ使わないよう、国民が一丸となって取り組んだ年でもあったのですが、冷房を使わなかったことが災いしてか、家庭内でダニが大発生したケースもあるようです。  気管支喘息やアレルギー性鼻炎など、ダニによる、健康被害は多岐に渡ります。先述した通り、年間エネルギー消費量が全体の2%で、暖房のエネルギー消費量の8%程度である冷房を節約したとしても、健康リスクが付きまとうと考えれば、本末転倒になりかねません。  しかし、何か対策をしない限り、光熱費を押さえることができません。そこで、猛暑を乗り切るために有効な手段をお伝えしていきましょう。

意外と侮れない「フィルター掃除」

 はじめに取り組んでいただきたいのが「エアコンフィルターの掃除」です。これまでエアコンフィルターの掃除をしたことはありますか?  実は、エアコンの効きは、フィルター掃除をすることで、まるっきり変わってきます。  最近は「自動お掃除機能付きエアコン」も出ていますが、このエアコンもフィルター掃除が必要です。しかしこのフィルターのメンテナンスがし難い構造になっているのがデメリットなので、フィルター掃除は専門業者に依頼したほうがいいでしょう。  普通のエアコンの場合は、手軽にフィルター掃除が可能です。最低年に1度は行いたいものですが、欲を言えば冷房を使用する前と暖房を使用する前の2回は実施したいです
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“28度設定”でも快適に過ごす方法
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1970年、神戸市生まれ。一級建築士、株式会社G proportion アーキテクツ代表取締役。「地球と人にやさしい建築を世界に」をテーマに、デザイン性、機能性、省エネ性や空間が人に与える心理的影響をまとめた空間心理学を組み込みながら設計活動を行っている。これまで120件の家や幼保園、福祉施設などの設計に携わってきた。クライアントには、上場会社の経営者やベストセラー作家をはじめ「住む人が幸せになる家」のコンセプトに共感する人が集い、全国で家づくりを展開中

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