更新日:2023年09月08日 06:57
お金

「冷房代を節約するのは危険」一級建築士が警告する“深刻なリスク”

“28度設定”でも快適に過ごす方法

「冷房の空気」そのものが嫌いという話を聞いたことがあります。その理由は、「べっとりとした冷たい空気が体にまとわりついて気持ち悪い」というもの。なぜべっとりしているのでしょうか?それは、湿度が高いまま冷房をかけているからです。  ここで重要なのは、先に湿度コントロールをするということです。湿度計で40~60%に保つと、夏のエアコンはさらっとして気持ちよくなります。  国が推奨している冷房設定温度は28度ですが、湿度さえコントロールしておけば快適になります。外部の湿度が70%以上の時は窓を閉め切って除湿し、その後窓を閉め切ったまま冷房のスイッチを入れましょう。湿度が上がるので、冷房を入れた後にすぐ窓を開けるのは控えたほうが良いです。

室外機のケアも忘れずに!

 なかには冷房をかけても全く効かない!と感じる人もいるのでは? そういった場合には、家の外に置いている室外機の状況を確認しましょう。  室外機で冷房の冷気を作り出しているワケですが、室外機自体が直射日光で暑くなりすぎていたり、室外機の前が隣の家の壁でほとんどスペースがなく熱気がこもっていたりする場合は、冷房の効きは極端に落ちます。  室外機の前面が壁の場合は、熱風を上に逃がす風よけルーバーなどで対処しましょう。また、よしずなどを置いて、直接太陽光が当たらないようにするのもおすすめです。これらの対策をするだけでも、冷房の効きは格段に違うはずで、夏を快適に過ごすことが出来るでしょう。 =====  いかがでしたでしょうか? 冷房を節約することで起こりうる問題と年間のエネルギー消費量のバランスから考えても、暑い中我慢して家の中で過ごすことは、人権侵害にも近いと私は考えています。 「冷房を使わないことで起こるリスク」を念頭に入れて、どうすれば得するのか見定めれば、きっと賢く猛暑を乗り切れる術が見つかるでしょう。 <TEXT/一級建築士 八納啓創>
1970年、神戸市生まれ。一級建築士、株式会社G proportion アーキテクツ代表取締役。「地球と人にやさしい建築を世界に」をテーマに、デザイン性、機能性、省エネ性や空間が人に与える心理的影響をまとめた空間心理学を組み込みながら設計活動を行っている。これまで120件の家や幼保園、福祉施設などの設計に携わってきた。クライアントには、上場会社の経営者やベストセラー作家をはじめ「住む人が幸せになる家」のコンセプトに共感する人が集い、全国で家づくりを展開中
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