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ポケモンカード「偽造カードの闇」を店員が暴露。客が持ち込んだ“高額カード”を偽物にすり替える悪質店も

カード鑑定会社の鑑定すら怪しい状況

 オークション・フリマサイトなどを見ていると「PSA鑑定」といった鑑定済みカードを見かけることがあるだろう。カードゲーム専門の鑑定家が真贋やキズなどによるグレードの区分わけ鑑定を行っており、そのなかでもアメリカを拠点とした「PSA」が世界最大の鑑定会社である。  そんな鑑定会社によるカード鑑定だが、ここ最近これらの鑑定済みカードも偽造集団に狙われている。それもそのはず、鑑定会社の鑑定済みケースに入っているだけで、当然素人には「きちんと鑑定された本物のカード」と思うだろう。  しかしこの盲点を突いた“偽鑑定品”が横行しているのだ。中国系通販サイトでは、この鑑定会社のケースにそっくりなケースが安価で販売されており、このケースに鑑定済みタグと共に封入するだけで、そっくりなニセモノが出来上がってしまう。
ポケカ

海外大手通販サイトで実際に販売されている鑑定会社のケース

 鑑定会社によるシリアル番号が存在していたり、偽造防止ラベルがあるのだが、シリアル番号は公式サイトで簡単に確認でき、ラベルもまた通販で偽造品が簡単に購入できてしまう。  SNSでは「鑑定済みカードが怪しいので開封したら偽造カードだった」といった書き込みも多く見受けられ、PSA鑑定品の買取を中止する旨を宣言したカードショップも存在する。

今こそチャンスと思っているカードショップも多い

 数多の偽造カードや鑑定カードの買取中止、オリパによる暴利に加え、カードショップ強盗とポケモンカードはまさに混迷を極めている状況だ。公式通販による受注生産が始まったことで、転売は落ち着くだろうという声もネット上では聞こえてくるが、販路は国内だけでなく海外もあるわけで……。  旧車やレトロゲームなどと比べるほどではないが、世界中にポケモン好きが居るということはコレクターも世界中にいる。国内が疑心暗鬼で売れなくなっても海外向けの販路さえあれば、簡単に販売することが可能なのである。  A氏は「一時的なカードの値下がりが起きている現状も、あっという間にもとに戻る」と断言している。それどころか、現在正規流通のないカードは前よりも更に高くなる可能性があるとも。  カードブームと聞いて新規参入しているカードショップは、急激なカードの値下がりやカードショップ強盗対策などで資金的に厳しいだろう。しかし、ほとんどのカードショップにはダメージが少なく、夏に開催されるポケモン世界大会で日本のカードに注目が当たっている今こそ、むしろこの騒動でポケモンカードを安く入手して高く販売することを狙っている店も多いようだ。  偽造品や転売価格であたふたしているのは素人転売屋だけなのかもしれない。
テクニカルライター。三才ブックスのマニア誌『ラジオライフ』にてガジェットや分解記事を執筆。買ったら使用前に分解するのがライフワーク
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