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ポケモンカード「悪徳専門店の実態」をカード店員が暴露。ネット販売の“オリパの闇”とは

 1996年にゲームボーイソフトとして発売された「ポケットモンスター」。現在ではシリーズ累計4億4000万本以上と、もはや世界中で知らない人はいないといってもいいほどの長寿シリーズとなっています。  同96年に発売開始された「ポケモンカードゲーム」(発売当初の名称はポケットモンスターカードゲーム)は累計製造枚数432億枚以上、販売言語は13言語、77の国と地域で販売されています。  今回は、そんなポケットモンスターシリーズ(以下ポケモン)についてまとめていこう……なんてことはしません。筆者の出身は裏情報雑誌なので、ポケモンの裏情報を追っていこうと思います。

急速に増えたポケモン商材

 2023年現在、「ポケモンは投資資産」なんて見出しのブログや情報サイトが数多の動画サイトやSNSで配信され、転売屋だけでなく一般人ですら「簡単にお金を稼ぐならポケモン」と言い出す始末です。  特に顕著なのがポケモンカードで、発売日前日になるとどこからともなく人が湧き、販売店舗には長蛇の列ができるほど。ポケモンセンターや、家電量販店などでは、事前抽選や参加券などさまざまな販売方法がとられていますが、現在もっとも規制が緩いといわれているのが「コンビニエンスストア」です。  それでもコンビニによっては発売時間を規制したり、行列を解散させたりしているところもあるのですが、いまだに入荷後に店頭に並べ、即時販売を行う店舗もあるといいます。コンビニ勤務者からは、何度も何度もポケモンカードについての問い合わせの電話があり、「仕事にならない」なんて声も上がっているようです。

雨後の筍のように増え続けるカード専門店

 さてカード専門店はというと、前述したように事前抽選などで販売している店舗が多いようですが、なかには悪徳な専門店も存在しています。秋葉原でカードゲーム専門店に勤めるAさんによると、一部店舗では入荷したポケモンカードを一般販売せず、すべて開封してカード単体の値段で販売しているとのこと。  発売日前日にはフラゲ販売などで入手した人たちがフリマサイトで販売し始めるので、この情報や独自情報などをもとに、価格を釣り上げて単体販売。こうすることで、一般販売するよりも大きな利益が得られるといいます。
ポケモン

きちんとした店舗ではパッケージの個数制限が定められ、買い占めなどは不可能に近い。

 続けてAさんが「さらにあくどい販売方法」として紹介したのは、自動販売機などで販売されている店舗独自の「オリジナルパッケージ」での販売です。1枚から複数枚のポケモンカードをパッケージングして、“オリパ”と称して販売しています。  この販売方法は公式が販売するパックでもランダム排出なので同じように見えますが、まったくの別物です。そもそも公式販売のものは、すべて新品。価格も安く封入枚数もしっかりと決まっており、販売しているパッケージで出るカードが決められています。  しかしオリパの場合は、店舗が買い取ったカードなどが封入されており、基本的には中古カードが入っています。カードランク「プレイ用」なんて書かれていることもありますが、傷や折れなどがあるカードが封入されていることもあるようです。
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ネット販売の“オリパの闇”
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テクニカルライター。三才ブックスのマニア誌『ラジオライフ』にてガジェットや分解記事を執筆。買ったら使用前に分解するのがライフワーク

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