どのようにしてキャストを集めているのか、そして給与未払いの情報がSNSなどに漏洩しないのかは一切不明。勤務時に誓約書でも書かせているのだろうか。ただ店の存在自体が世に出回らない理由は、会員（客）がこの場を守りたいから秘密を守り続けることにある。 　私も話を聞いていて、段々と複雑な感情が芽生えていた。実際にYも連れ出す気など一切起きず、さまざまな欲望が絡み合う様子を傍観することしかできなかったらしい。 「世の中の闇をこの目で見たんだよ……。俺はもう二度とあそこに行きたくないね」と疲れた顔で語るY。 　どうやらこの経験により、夜遊びする気が失せてきたらしい。女性が何の疑いもせずノコノコと働きに来てしまうこと、そして経営陣が当たり前のように搾取をする点も理解できず、諸々のテンションが下がってしまったようだ。 　パパ活女子がおじさんからお金を引っ張り、店は女性からお金を奪う。なんとも言えなさすぎる構図だが、“パパ活”が世の中に浸透してしまったからこそ生まれた搾取ビジネス。 「パパ活なんかして、お金にがめついから痛い目に遭うんだろう」という意見も、理解できないわけではない。ただ店側、そして売り上げに貢献する客の行為も無視してはならない。 　夜職における闇バイトは、我々が想像する以上の底なし沼。欲望にまみれた繁華街では何が起きるか分からないからこそ、女性は特に気を付けるべきだろう。 　また、今回のように紹介制なら会員外の人間が足を踏み入れるケースはないだろうが、入った店が法に触れる場合は利用客の立場も危うくなる。「知らなかった」では済まされない事態にならないよう、細心の注意を払って行動するべきだ。 文／たかなし亜妖元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。