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テレ朝社員が“三浦瑠麗氏を訴えた”理由「17万人以上に秘密を暴露された」

有名人も「同意見」という主張だが…

 その空虚さが如実に現れたのは三浦氏が提出した陳述書である。本書では、裁判の原因となったツイートをした理由についての部分が引用されている。そこで、三浦氏は津田大介氏、古市憲寿氏、池上彰氏、田原総一郎氏らの名前を挙げて、彼らも自分と同意見だったということを長々と記している。  通例、裁判の陳述書だと存在する、原告の主張に対して論理的に、反論するような文章はほとんど見られない。単に、有名人の名前を並べ立てて、自分の味方の多さを見せつけようとする欲望のみが見え隠れしている。これに重ねて、控訴審で三浦氏は憲法学者の木村草太氏の意見書まで提出しツイートを「表現の自由」だと主張しようと試みている。

僅か十日で1冊の本を書き上げた

 結局、今年3月に最高裁、西脇氏の勝訴が確定するまで、膨大な書面によるやりとりは続いている。しかし、西脇氏の苦悩はわかっても三浦氏が、ツイートによってなにを獲得したかったのかは、最後まで明らかにならない。  本書では、その過程での心情を吐露する西脇氏だが、一方でこの闘いが彼自身が生きる原動力となったのは間違いない。というのも、この1冊の本を西脇氏は僅か十日足らずで書き上げたというのだ。 「編集者から本にしないかと連絡を頂いて、10日ほど後に会うことになりました。その日に打ち合わせという予定だったんですが、てっきりその日までに原稿が必要なのだと勘違いしてたんです。しかし書き始めてみると自分の内側から次々と思いが溢れてきて、10日間脇目も振らずに書き続けました
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裁判に勝った先に待っていたのは…
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ルポライター。1975年岡山県に生まれる。県立金川高等学校を卒業後、上京。立正大学文学部史学科卒業。東京大学情報学環教育部修了。ルポライターとして様々な媒体に寄稿。著書に『コミックばかり読まないで』『これでいいのか岡山』

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