更新日:2023年09月29日 20:20
恋愛・結婚

東京には“地獄”が待っていた。留学費用300万円を「ママ活」で稼ごうとした20歳青年の嘆き

東京には“地獄”が待っていた

「お手当をもらえると思ってたので、持ち金もほとんどなくて。警察に相談しても、やり取りが消えてしまっているので信用してもらえないし。東京までの新幹線代と彼女へ送った2万円を大損してしまったままじゃ悔しいじゃないですか」と嘆くケイタ、そこで秘策を思いついた。  この損失はママ活で取り返そうと、アプリのプロフィール欄に「助けて! 今、東京駅にいます。帰りの電車賃もなくて困ってます。誰か僕を拾ってください」と書き込んだのだ。  窮状を訴えれば、裕福な女性がきっと手を貸してくれる。ここは東京なのだから大丈夫だ、と自分に言い聞かせたが、誰からもリアクションはなく、結局親に送金してもらって帰りの切符を買うしかなかった。  痛い目に遭ったその後も、ケイタはママ活を続けている。女性がときめくようなことを書いたほうがウケもいいのではと考え、プロフィールを「なんでもするので、僕の夢を応援してください!」に書き換えてもみた。しかしケイタのメッセージ欄は静まりかえっている。

ママ活男子を狙う詐欺に注意

詐欺「いつかは大金持ちの女性が自分を見初め、留学費用を出してくれないかなって。たったひとりのお金持ちと出会えたら勝ちだと思うんですよね。もう懲りたんで、お金を事前に振り込んだりするのはやめます。そもそもお金をもらうのは、こっちだと思うんで」  今回の損を取り返すまでは、ケイタは年上女性へのアプローチを続けるつもりでいる。しかし、このような甘い夢を見るママ活男子を狙う詐欺が後を絶たない。  見ず知らずの男にいきなり大金の支払いを約束する女性などいるわけがない。最初に顔合わせをして好みのタイプかどうかを確認し、そこから少しずつ仲を深めていくのが筋ではないだろうか。  ケイタが引っかかったような「事前振り込み」を要求してくるケースは、詐欺の可能性を疑ったほうがいいだろう。待ち合わせ場所に相手が本当に現れるかどうか心配なのはお互い様のはず。ケイタもまずは、詐欺を見抜き、おかしな要求を突っぱねる眼力を持つことが必要そうである。 <取材・文/内藤みか>
作家・脚本家・イケメン評論家。ケータイ小説を経て電子書籍やSNSなどに詳しい。マッチングアプリや出会い系サイトを20年以上ウォッチしている。著書に『美男子のお値段』(角川学芸出版)『男おいらん』(白泉社)など多数。X(旧Twitter): @micanaitoh
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