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山梨県警「ポケカに輪ゴム」で批判殺到。“キズはNG”という転売ヤー目線が常識となったポケカブームの末路

「キズがついたら価格が下がる」は転売ヤー的見解

 一方でポケモンカードプレイヤーからは逆の意見も多かった。  プレイヤーとしてみれば、プレイしてこそのポケモンカード。たしかにコレクターも存在する世界だが、現在のように値段が釣り上げられた状態がおかしいだけである。いまのポケモンカードはプレイヤー各々が楽しく遊べる環境ではなくなってしまった。  プレイヤーの中には、輪ゴムで束ねて保管したり、お菓子の空き缶に入れて無造作に保管しているなんて人もいる。
ポケモンカード

高額なカードでも裸でプレイする人もいる

 プレイヤーではない山梨県警が輪ゴムで留めるという判断をしてしまったのは大きなミスだが、ネット上で「キズが付く」、「県警の扱いは雑だ」などの批判はおこがましい。それこそ“転売ヤーの味方”のような意見を見ているようである。

所有者ではない人が輪ゴムで固定したことが問題

 ショップ店員もポケモンカードプレイヤーも同意見だったのは、「所有者でもない第三者が輪ゴムで固定してしまったこと」だという。山梨県警は「紛失防止のため、押収場所ごとに価値の低いカードを輪ゴムで固定した」としているのだが、カードゲーム界隈では価値の低いカードや保管にはストレージボックスを使うのが一般的となっている。  たしかにプレイするのだからとキズなども全く気にしないプレイヤーも存在するが、スリーブと呼ばれるプラスチック製の保護ケースに入れ、プラ製やダンボール製のストレージボックスに収納するのが一般的。押収したすべてのカードをスリーブやストレージボックスに入れるのは厳しいかもしれないが、輪ゴムで固定するのはナンセンスともいえるだろう。
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「税金でストレージボックス購入」も難しい判断か…
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テクニカルライター。三才ブックスのマニア誌『ラジオライフ』にてガジェットや分解記事を執筆。買ったら使用前に分解するのがライフワーク

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