山梨県警「ポケカに輪ゴム」で批判殺到。“キズはNG”という転売ヤー目線が常識となったポケカブームの末路
連日のようにポケモンカード関連のニュースが報道されている。転売、偽造、セミナーにサロン、投資情報、極めつけは強盗に殺傷事件……。
そんなポケモンカードのニュースのなか、山梨県富士吉田市の店からポケモンカードを盗んだとして25歳の男が逮捕された事件で、山梨県警が「押収したポケモンカードの取り扱いがずさんだ」とSNS上で批判が相次いでいる。
強盗から盗まれたカードを取り戻した警察。「褒められるべきなのになぜ……?」と思う人もいるだろうが、その後のマスメディアへの公開方法が悪かった。大量のポケモンカードを輪ゴムで留め、押収品を公開したのだ。
お札のように通し番号もなければ偽造防止もないポケモンカード。押収したカードは、盗まれたものなのか、偽造されたものか、今では鑑定も難しくなっている。
筆者としては、取り戻せた事に焦点を当て、山梨県警に「よくやった」と労をねぎらいたいところだ。
果たして本当に取り扱い方法は間違っていたのだろうか。秋葉原のポケモンカードショップ店員とポケモンカードプレイヤーに実際に話を伺ってみた。
いまやポケモンカードは美術品と同等と言っても過言ではない。投資家もポケモンカード界隈に参加しており、ポケモンカードの事を「鑑定会社で最高評価を取るための素体」と言う人もいる。
ポケモンカードを取り扱う際に無造作に素手で取り扱うなんてもってのほか。息も殺し、マスクをして手袋を使い、傷のつかないように取り扱うのが業界の常識なのである。
たとえ今は価値のないカードでも、ルールやプレイスタイル次第で価値は大きく変動する物もあるわけで……。新品開封ですら気を使うポケモンカードば、輪ゴムの傷跡どころか小さな汚れキズなどですら大きな減額対象となる。
「取り戻したポケモンカードを再査定し、減額となってしまう傷に対して山梨県警はどう責任を取るのか……」話を聞いたカードショップ店員はこのように語った。
山梨県警の取り扱い方に対する意見
カードショップ店員の意見は山梨県警の取り扱いに否定的
テクニカルライター。三才ブックスのマニア誌『ラジオライフ』にてガジェットや分解記事を執筆。買ったら使用前に分解するのがライフワーク
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