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『美少女戦士セーラームーン』主演の三石琴乃「フリーランスになる決意をしたのは、子どもの幼稚園の行事に参加したかったから」

漫画雑誌「なかよし」での連載とTVアニメ放送開始から、昨年で30周年を迎えた「美少女戦士セーラームーン」シリーズ。連載時はキャラクターの人気投票で一度に100万を超える投票を集めたりしたほど社会現象を巻き起こし、17カ国語、50カ国以上で流通、放送されている人気作品だ。 最終章となる今作の魅力や30年演じてきたなかでの変化、『美少女戦士セーラームーン』を見て育ったファン、そして後輩声優や製作スタッフたちからの愛を感じる瞬間のエピソードに加えて、フリーランス声優として働く実情まで、幅広く話を聞いた。

●月野うさぎは「“成長”しない役」だったのだが……

_TAK0715――昨年で30周年を迎え、同じ役でまた新作映画が公開されるのは、作品の人気の高さを物語っています。 90年代TVアニメは一旦幕を下ろし、2014年に再び『美少女戦士セーラームーンCrystal』(以下、「Crystal」)が原作準拠で始まりました。12話の配信シリーズから、今回、映画として最終章を迎えて。(月野)うさぎ・セーラームーンは、90年代TVアニメが終わったときに一度心の奥にしまったんです。まさかまた演じることができるとは思わなかったので、感謝しながら取り組みました。 声優・三石琴乃を語るうえで、絶対に欠かせない作品です。セーラームーンのおかげで、いま声優としてここにいられると言っても過言ではありません。感謝しています。 ――長く演じ続けてきたなかで、キャラクターに変化はありましたか? うさぎちゃんは、ある意味「“成長”しない役」なんです。凛々しく戦うセーラームーンであるけれど根本は普通の女の子。変に成長したら、うさぎちゃんの魅力でもあるドジやおバカができなくなってしまいます。 普段はおっちょこちょいでお勉強もできない子なんだけど、友達や恋人が大好きで、大事なもののためなら強くなれるのが月野うさぎだから。 『Cosmos』でも、たくさんの試練がうさぎちゃんに襲いかかるんです。けど人を愛し愛され、底抜けのピュアな心でいつの間にか近くの人を救っている。そして周りからパワーをもらって、そのエネルギーのおかげでまた一歩一歩進んでいく。そんな自分を信じて、最終決戦に臨んでいくんです。“成長”という簡単な言葉を使いたくないのですが、彼女は今までとは違う世界を見ているんじゃないのかな、という気がします。 ――長く演じてきたことで、うさぎというキャラクターから影響を受けたこともあるのでしょうか。 大人になると、社会の中で頑張らなきゃいけないこと、つらいこといろいろあるじゃないですか。でも、友達とケラケラ笑いあったり、恋人のまもちゃん(地場 衛)といちゃいちゃしてたり(笑)、そういう瞬間が大事なんだよねって、演じることであらためて気付かされますね。 ――自分のなかにキャラクターが生きてると思う瞬間はありますか。 日常ではそんなに意識してないけど、絵を見たりセリフを喋れば、すっとうさぎちゃんが出てくる感覚はあります。 ――周囲から「いまの声、うさぎちゃんだった」などと言われることはありますか? あるの〜。でも、それはうさぎとして話してるわけではないから…。 ――いまの「あるの〜」はかなりうさぎっぽかったです(笑)。
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「日本のアニメはすごい」と思わせてくれたのは海外のファンたちだった
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