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ユーザー離れが進む「スレッズ」。“ツイッターの受け皿”になれない現状が至極当然の理由

InstagramとTwitter、それぞれ異なるユーザーの傾向

写真投稿がメインのInstagramユーザーは、いわゆる“インスタ映え”を狙い、投稿するコンテンツのクオリティを上げるためにお金や手間暇をかけたり、自身を飾り立てるためのいわば“演出”に努力を惜しまない傾向があります。 これに対しTwitterユーザーは、自分の日常の思い付きをそのまま短いテキストで気軽に“ユルい”投稿をすることがメインであり、他のユーザーがそれに共感してくれたり、ネタツイートとして反応してくれることが大きな醍醐味となるのです。 また、Twitterがメインのユーザーから見たInstagramユーザーは、活動的かつリア充で意識高い系というイメージが先行してしまい、彼らの“キラキラ投稿”に辟易してしまう傾向が強いといえます。そしてThreadsはInstagramの派生SNSですので、この傾向はテキストメインのThreadsの投稿でも同様に引き継がれると考えられるでしょう。

このままでは受け皿のポジションは難しい

日本は米国に次いで世界で2番目にTwitterユーザー数の多い国ですが、“ツイ廃”という言葉が創り出されるほど、日本のTwitterユーザーには独特な志向や価値観が存在するのです。 Meta社としては、Instagramを軸に新たにThreadsを立ち上げることで、テキストメインのSNSユーザーをも一気に取り込みたい思惑があると思われますが、まずはユーザー目線で必要な機能の実装を進めることで、初動で失ったアクティブユーザーを少しづつ取り戻す必要があります。 日本マーケットにおいては、Instagramとの連携を思い切って切り離すか、またはユーザーにアカウントを連携させるか否かの「選択肢」を与えるべきかもしれません。 双方のユーザー層の価値観の違いを受け入れて両立させない限り、ThreadsがTwitterユーザーの受け皿となることは難しいのではないでしょうか。 <TEXT/井ノ口樹(いのくち たつき)>
在京テレビ局関連会社、一般企業広報、人材教育コンサル会社を経てネットコンテンツ管理業務に従事。これまで数多くの問題投稿に向き合ってきた経験とメディアやコンサル業界で培った見識を活かし、ネットリテラシー向上を目的とした講演や評論活動を行う。一般社会人や中高生、教育関係者、芸能関係者等に特化した独自の研修プログラムを提供している。温泉ソムリエ、温泉入浴指導員、アンガーマネジメントファシリテーター、国内A級ライセンス資格を所有。
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