更新日:2023年08月06日 12:44
エンタメ

「周りの声なんてどうでもいい」50歳で東京から九州へ。お笑いコンビ・ダイノジが見つけた“幸せの定義”

周りの反応なんてどうでもいい

大谷ノブ彦

ダイノジ・大谷ノブ彦

 東京で一線を張っていた人気お笑いコンビが福岡に拠点を移す。この一文だけ読めば「左遷」「都落ち」というイメージを持つ人もいるかもしれない。そうしたイメージを持たれるかもしれないリスクは考えなかったのだろうか。 ――「左遷」や「都落ち」のイメージがつくリスクは考えなかったんですか? 大谷:全く考えてないです。正直、周りの反応なんてどうでもいいんです。「こんなこと、誰もやっていないから面白そうじゃん」と。このポジション、超おいしいじゃないですか(笑)。 僕も大地さんも、誰かに言われて福岡に来たんじゃない。福岡を選んで勝手にやってきたんです。自分たちで選択をして福岡という土地を選んだ。自分たちが選んだことに対し、他人がとやかく言うのを聞いても意味がないですよ。 ――自分自身が納得できれば問題ないと? 大谷:結婚して子どもがまだ小さかった頃、大手チェーン店のハンバーガーが食べたくて、家族で食べたんですよ。そしたら、ツイッターに「ダイノジ大谷がハンバーガー食べてるよ」と書かれていたんです。それを見て、すごい違和感が生まれて。 いいじゃん別に。俺が食いたくて食ってるんだから。自分で選んで食ってるんだからほっとけよと。「芸能人のイメージってくだらねぇ」と思いましたよ。俺はお前よりもいい物をたくさん食べて、それで一回りしてハンバーガーを選んで食べてるんだよ、と。 自分で選べるのって、超幸せですよ。毎日が楽しくてしょうがないんです。

自ら選択できる幸せを知った

――東京の芸人の活躍を福岡から見て、何か感じる部分はありますか? 大谷:東京にいたときは、活躍している芸人と自分たちを比べて苦しい思いをしたときもありました。だけど今はそういう苦しさは全くないです。自ら選択できる幸せを知ってからは、それぞれのフィールドで活躍しているのを心の底からすごいなと思い応援できるようになりました。 コロナの前まで日々の仕事に追われていて、あくせく働くことでその苦しさを忘れようと思っていました。つまり、見て見ぬ振りをしていたんですけど、コロナ禍になって考えるうちに「選択できるって幸せなんだ」と思えるようになって、ようやくこの苦しさから抜け出せました。九州に来てリセットされましたね。 大地:僕はかっこつけタイプなので人の目を気にしがちなんですけど、かっこつけないスタイルも楽しめるようになりました。最近は立ち飲み屋でひとりで飲んでいる自分が好きなんです(笑)。 大谷:仕事が終わって、リュックを背負いながらコソコソ劇場を出て立ち飲み屋に行って、そこで自分に浸りながらお酒を飲んでいるんですよ。今までの大地さんからは想像もつかない。ゾッとしますよ(笑)。
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コラムニスト・ライター。1978年生まれ。NSC東京作家コース出身。2006年から2020年まで放送作家として活動。キー局のテレビ・ラジオ番組の報道・情報番組を主に担当。2020年秋に東京から福岡へ移住。福岡・九州情報の発信に努めている。X(旧Twitter):@uraihiro

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