孤独死、巨大な犬、理不尽クレーム…etc. ボロ物件投資ならではの「想定外トラブル」
家計を助けるために15歳から食品加工工場で働くも、100万円から始めた不動産投資によって今では総資産が1億円を超える、みわ氏。格差や学歴や職歴の壁に阻まれても人生を好転できた秘訣は何なのか?「100万円から始められるボロ物件投資」の秘訣を伝授する。
ボロ物件投資は再現性が高く、やりようによってはとんでもない高利回りを実現できます。そして、少ない元手でも始められるので誰にでもチャンスがある手法だと思いますが、当然、古いだけにデメリットもあります。メリットばかり紹介するのはどうかと思うので、今回は実際に僕が体験した”失敗談”をお伝えします。
現在では不動産投資で安定して家賃収入を得られていますが、これまで購入したすべての物件が思い通りに結果を出せたわけではありません。何件も関わってきたので建物や住民のトラブルもありますし、買った物件自体が失敗だったという経験もあります。
トラブルではないですが、イレギュラーなケースとして代表的なものが孤独死。僕が主に取り扱う築年数の古い物件は家賃が安く、建物が古いこともあって高齢の方が住むことが多いです。すると、どうしても孤独死のリスクは高くなってしまいます。
実際にあったケースをご紹介します。70代の男性が自室で亡くなり、そこから発見まで2か月ほど経過してから発見されました。遺体はすでに腐敗が進んでいたので業者に頼んで部屋の特殊清掃を行い、その費用は大家の僕持ち。室内で亡くなっていたのでその部屋は事故物件扱いとなり、家賃も安く設定しなければなりません。
しっかりとデータを取っているわけではないですが、僕が所有する物件での孤独死発生率は1~2%ほど。もちろん亡くなられた方のご冥福はお祈りしますが、大家の立場からすると築古物件は孤独死の確率が一般の住居に比べて少し高いことを肝に銘じておくべきです。
住民の方が起こしたトラブルのケースもいくつかお話ししましょう。ある物件に住んでいた外国籍の方が「犬を飼ってもいいか」と聞いてきたことがあります。元々ペットOKで出していた物件なので許可したんですが、その後近所の方から「あの外国の方の家の前にいる犬が怖い」とクレームが多く入るようになりました。
駆けつけてみると、そこにいたのは立派なドーベルマン。しかもよく吠える犬だったので、事情を説明して室内で飼ってもらうようにしました。
その後、その方が退去して一件落着かと思いきや清掃に入ると部屋中犬の噛み跡でボロボロ。下駄箱なんて形をとどめていないほどでした。入居率を上げるためにペットOKにしていましたが、さすがに暴れん坊のドーベルマンは想定していなかったです。
なかなか判断に困るクレームもあります。たとえば「雨漏りしたせいで自宅に置いていた絶版になっている本が濡れてしまったから弁償しろ」だとか、敷地内の空き家にカビが生えて、「そのカビで子供が救急車で運ばれたからその費用を出せ」とか。修繕をしていても建物が古いので仕方がないのかもしれませんが、対応が難しいこともあります。
自分が持っている物件ではないところからのトラブルだと、隣の民家が倒壊して、その瓦礫が僕の物件を損傷したこともあります。被害は庭部分のプラスチックの波板が割れた程度で住人の方に怪我などがなかったことが不幸中の幸いでしたが、その波板を弁償してもらおうにも倒壊した民家は相続人がすべて放棄して請求できず、保険を使って修繕しました。
ボロ物件投資は“全勝”できるわけではない
入居者の外国人が巨大なドーベルマンを飼い出し……
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福岡県北九州を中心に築古戸建てやアパートを所有する不動産投資家。中卒で食品加工工場で働いていたが、20代で不動産投資を開始。有望な築古物件を見定め、最低限のDIYによって低コストで高利回りの物件へと変貌させて現在は総資産1億円超、年間不動産収入約4600万円を稼いでいる。公式LINE「DIYみわ塾」
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