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“スピードワゴン小沢”という生き方「今後の目標なんて昔から1個もない」

先のことは、そのとき考える

小沢一敬――ギャロップ、マシンガンズと優勝・準優勝組が活躍しています。今後THE SECONDがお笑い界にもたらす影響は大きいと思いますか? 小沢:それは俺にはわからない(苦笑)。どうなんでしょうね……どうしてもみんな、若い才能を世に出したいし、見たい。若手が出るネタ番組にしても、ある程度年齢いくとなかなか呼ばれなくなるんですよ、自分たちを含めてね。だから、出られる場所が増えるのはいいことなんだろうなとは思いますけどね。 ――YouTubeチャンネル『オザワ倶楽部』のなかで「THE SECONDにインスパイヤされたネタ作ってる」とおっしゃっていましたが、開催されれば来年も参戦される予定ですか? 小沢:それはマジわかんない(苦笑)。だって大会もどうなるかわかんないし。先のことはあんまり考えないようにしてるんだよね。先のことを考え過ぎて不安になってる人多いじゃん?「意味あんの」って思っちゃう。 5年後どころか、1年後だってまだ存在してないじゃん。「何で勝手に存在しないものを不安にならなきゃいけないんだろう」って思うから。先のことは、そのとき考えるっていう感じかな。

自分の場合は、まだ恋の話してもいい

――3年前の『やすとものいたって真剣です』(ABC)にゲスト出演した際、舞台が怖くなって一時期漫才から離れたとおっしゃっていましたよね。 小沢:テレビとか取材とかだと刺激的な言い方してるけど、まぁタイミングだね。これはキングコングの西野(亮廣)に教えてもらったんだけど、「“応援シロ”がある人はファンが多い」と。次の目標をガンガン言う人のほうが、ファンは応援しがいがあるって言ってたの。 たぶん、どの芸人さんたちもみんな経験するんだろうけど、最初ライブでウケて順調にM-1グランプリ決勝とか行ってテレビに出て。ある程度落ち着いた段階でライブ出ても「もう私たちは応援しなくてもいいんだ」みたいな空気があってウケづらい時期はあるのかもしれないね。 こっちもネタ作るモチベーションが若い頃より減ってたのかもしれないけど、自分たちでも何やっていいのかわかんなくなったりもするし。でも、いまだにわかんないけどね。ライブで何をやったらいいかは正解がないから。 ――今年5月にナイツ・塙宣之さんにお話を伺った際に、年齢を重ねると「新ネタが作れなくなる」「パーソナルな部分が全部漫才に反映されるようになる」とおっしゃっていましたが、共感する部分はありますか? 小沢:すごいわかるね、それは。同世代の芸人たちと飲むとよく言うけど、「今度、彼女と初めてデート行くんだ」っていう設定はもうできないわけじゃん。年齢に合ったネタというか、キャラクターに合ったネタじゃないと違和感が出るし。 ただ、自分で言うのもあれだけど、「俺の場合は、まだ恋の話してもいいだろうな」とは思ってるの。独身だし。だから、昔から一貫して「その人に合ったネタじゃないと意味ない」とはずっと思ってるね。
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聞かれりゃ言うけど、基本ダメ出ししない
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フリーランスの編集/ライター。元バンドマン、放送作家くずれ。エンタメ全般が好き。特にお笑い芸人をリスペクトしている。個人サイト「不滅のライティング・ブルース」更新中
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