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“スピードワゴン小沢”という生き方「今後の目標なんて昔から1個もない」

聞かれりゃ言うけど、基本ダメ出ししない

小沢一敬――昨年7月からコント赤信号のリーダー・渡辺正行さんとともに『ラ・ママ新人コント大会』の司会を務めています。そのほかのライブと違うのはどんなところですか? 小沢:ほかの人はどう言うかわからないけど、僕の印象では「一番ウケづらい」っていう感じだね。小屋の作り方や空気感からして。ネタとネタの間の出囃子まで、無音の時間があるしね。本当に些細な瞬間だけど、乗りづらいだろうなとはずっと思ってるね。 ――ライブ後に反省会があるのもよく知られたところです。渡辺正行さんと同じように、小沢さんも若手にアドバイスはされているんですか? 小沢:聞かれりゃ言うけど、基本ダメ出ししないようにはしようと思ってる。ただ、絶対に言うようにしてるのは、「俺らの言うことなんて聞かなくていいから」「俺ら別に責任とらないから」ってこと。 俺らが言った通りにやってスベっても責任とれないからね。逆に俺らがネタ見せ行ってた頃だって、ダメ出しされても直さなかったもん。「だって責任とってくんないじゃん」と思ってたから。だから、ラ・ママでも「好きにやったほうがいいよ」って言うようにしてますけどね。 別にその子たちをプロデュースしてるわけでもないし、「キミのここが素晴らしいんだ」なんて言うのもね。言われる側も、たぶん嫌だろうしな。若いときはわかったようなこと言われるの嫌だもん。俺はいまだにそうだけど(笑)。

司会も本音言うとやりたくない。けど…

――事務所の制限なく、フリーでも出られる部分もラ・ママの特徴だと思います。『X年後の関係者たち〜あのムーブメントの舞台裏〜』(BS-TBS)のなかで、小沢さんが関西に比べて「(笑いの)種類が多い」とおっしゃっていたのがすごく印象的でした。 小沢:俺が言ったの? 覚えてない(苦笑)。好き勝手やりゃいいじゃんっていうだけで、「いろんな笑いがある東京の文化を守りたい」なんて思いはまったくない。ただ、やる場所がなくなるのはもったいないから、ラ・ママを残したほうがいいとは思うけどね。 俺って他人は関係ないもん。「誰かのために」なんて言えないよ。司会も本音言うとやりたくないの。ただ、リーダーがいるから、「アシスタントをやりたい」となっただけで。自分1人だったら難しいね、あれは。 ――そんな小沢さんがラ・ママの司会をやろうと思ったのは、渡辺正行さんがいたからですよね。小沢さんにとってリーダーはどんな存在ですか? 小沢:すべての人において、「どんな存在か」なんて考えたことないなぁ。(井戸田)潤もそうだけど、リーダーはリーダーでしかないしねぇ。昔からお世話になってるし、別に怒られた覚えもないし、めちゃくちゃ褒められた覚えもないし。 会って普通にお互いヘラヘラしゃべってる感じ。でも、そういう意味では話しやすくしてくれる人かもね。リーダーってそこがすごいんだろうなと思う。後輩と同じ目線まで降りてきてくれるし、「しゃべってるリーダーにツッコミたい」って思わせてくれる。 本当におべっかとか抜きで、リーダーのことめちゃくちゃ好きよ。ただ、別に「東京のお父さん」みたいにいちいち考えたことないんだよね。一緒に司会という体でやってるだけで。
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今後の目標なんて昔から1個もない
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フリーランスの編集/ライター。元バンドマン、放送作家くずれ。エンタメ全般が好き。特にお笑い芸人をリスペクトしている。個人サイト「不滅のライティング・ブルース」更新中
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