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スピードワゴン小沢の“独特な死生観”「死んだら、全員俺のことを忘れてほしい」

死んだら、全員俺のことを忘れてほしい

――お金がなければ働くし、誘われて嫌じゃなければ断らない。すごくシンプルですよね。 小沢:もっと言うと、10歳ちょっとから新聞配達とかやってたから、「いざとなったら何でもやれば稼げる」ってどっかで思ってるのよ。だから、「この仕事に懸けるために」「5年後の自分が」とか言っても、「亡くなったら終わり」って思うのかもしれない。 ――「救いを求める」という意味では妥当だと思います。 小沢:そうそう、最後は救いを求めようと思ってるから。家にお金がなかったってことも、それは自分が働きたくてやったんだもん。親に「働け」なんて言われたことないから。親を憎む境遇なんて誰もないよ。だって、遊びたいならお金いるじゃん。 みんなもっとシンプルに考えればいいのにさ。まぁしょうがない。ライターさんは難しく書くのが仕事だもんね(笑)。申し訳ないけど、ぜんぜん最初のほう話弾んでなかったでしょ? ――たしかに焦りました(笑)。 小沢:ごめんねぇ~、本当! THE SECOND終わってすぐにきてくれたら、熱あったのよ。1週間以内だったら、ワーって語れたけど。もう本っ当に忘れちゃうのよ。とくに「この話したかな」とか。だから、「囲碁将(棋)のトーク見た」って言われると、「もうじゃあ知ってくれてるなら、しゃべらなくていいや」って思っちゃうのよ。 それでさ、また「あのときと話が違う」って言われることがあるの。でも、「そりゃそうだよ。生きてんだから変わるよ」って思うのよ。生きてりゃずっと同じモチベーションでいられないしね。だから、別に俺は違うこと言っていいと思ってるんだよね。 ――お話を聞いていて、小沢さんは一貫して「何かを残すこと」に本当に執着がない方なんだな、というのがすごく伝わってきました。 小沢:まったくないね。俺が死んだら、死んだその日から全員俺のことを忘れてほしいの。「あのときの小沢はさ」とか一切なくて「小沢って誰?」っていう。マジで俺、リセットボタン押したみたいに、みんなの記憶からパッといなくなりたいのよ。 <取材・文/鈴木旭 撮影/藤本篤史>
フリーランスの編集/ライター。元バンドマン、放送作家くずれ。エンタメ全般が好き。特にお笑い芸人をリスペクトしている。個人サイト「不滅のライティング・ブルース」更新中
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