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スピードワゴン小沢の“独特な死生観”「死んだら、全員俺のことを忘れてほしい」

子どもの頃、「週刊少年オザワ」を作ってた

小沢一敬――2018年の「ジャンプ創刊50周年記念イベント」で小沢さんが「貧乏だから子どもの頃にジャンプを書き写してた」とおっしゃっていたのを記憶してるんですけど、当時から相当漫画が好きだったってことですよね。 小沢:そうね。絵を描くのも好きだったけど、お金ないから友だちにジャンプ借りて、好きな漫画だけわら半紙に写して返してたの。だから、自分で「週刊少年オザワ」作ってた(笑)。 ――それ、すごいことですよ(笑)。今のエピソードだけ聞くと、漫画家に興味が向きそうですけどね。 小沢:それはでもさ、漫画だけじゃないから。音楽でもお笑いでも麻雀でも、いろんなものに出会ってる。今は漫画好きなエピソードを話したから「漫画家になったら?」って思うかもしれないけど、それと同じぐらい音楽やお笑いのエピソードもあるから。出会いはいっぱいしてきたよね、そういうカルチャーの。 でも、それは多趣味で自堕落で節操がないだけ(笑)。もっと1個に集中した人生にしたかったなって。それこそ劇団ひとりさんとかバカリズムさんみたいに、お笑いだけに傾ける人生やってみたかったと思うよ、たまに。俺は節操がなかったなと思うね。

映画や小説を作りたい欲求はまったくない「漫才は気楽でいい」

――ただ、小沢さんは映画や小説を作りたいという欲求はないんですもんね。 小沢:まったくない。面倒くさいもん、だって。2時間大勢の人巻き込むなんてね。漫才は2人で15分とかでしょ? 気楽でいいしさ。 ――そこまで多趣味だと、「この作品の論評をお願いできませんか?」みたいなオファーもきそうですよね。 小沢:帯文とかあとがき的なものはたまにやるけど、本に関しては「お笑いじゃないからやる」って感じだね。でもね、野球好きだから言うと、評論家って現役じゃない人がやるんだよね。だから、「お笑いの評論家だけにはならないようにしよう」と思って、いろいろな仕事に接するようにはしてる。 例えば若手のネタ見るときでも、評論じゃなくてライバルとして見るというか。評論家じゃないから「ここがいい」「あそこが悪い」とかは言わないようにしてるの。「ここが好き」「あそこが好き」は言っても。「いい」「悪い」なんて評論家にはならないようにしたいなとは思ってるね。
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この取材も、俺遊びと思ってきてるのよ
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フリーランスの編集/ライター。元バンドマン、放送作家くずれ。エンタメ全般が好き。特にお笑い芸人をリスペクトしている。個人サイト「不滅のライティング・ブルース」更新中
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