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エコノミークラスの座席を“ビジネス級の快適さ”に変える方法。数万円で「眠りに特化した空間」が

“ビジネスに匹敵”4席確保した時の値段は?

エティハド航空

エティハド航空機内 エコノミークラスの客室

 予約時の空き席数によってすぐに押さえることのできる場合や、出発の48時間ほど前になって登録したメールアドレスに案内メールが来る場合もある。料金はまちまちではあるものの、ピーチように1席あたり国内線で2000円、国際線で3000円を明確に定めているところは親切だ。その他、長距離国際線で1席当たり1万円~程度になることが多い。  筆者の経験では、エティハド航空にてボーイング777-300ERの就航路線のひとつ、アブダビからパリへの7時間強の路線で、1席から3席を追加して最大中央列の4席を確保できる案内を受け取ったことがある。  1席あたりの幅は50cm程度であることから、3席の場合は150cmと一般的な成人では足りない。4席分あればそれこそ3万円ほどの追加でビジネスクラスに匹敵する睡眠環境だと思えることから、かなりお得と考えていい。

アップグレードは商品である

 今回紹介した隣席購入や、エコノミークラスの旅客にプレミアムエコノミーやビジネスクラスのシートをアップグレードと称して入札などで販売するケースは増えてきた。  空席を出しながら航空機を運航するのであれば、少し安く売っても収益が上がればいいエアラインと、格安で上級クラスのサービスを得られる乗客のニーズが合致したサービスだ。これはエアライン独自がシステムを構築してやっている訳ではない。多くは、これらのシステムをパッケージとして販売する会社を利用している。  カナダのモントリオールを拠点とする「プラスグレード」という会社がある。同社は、システムのパッケージをエアラインのみならず200もの旅行産業に販売している。  ホームページでは、パートナー企業としてエアラインだけでなく、クルーズ会社やホテルにも商品を販売していることがわかる。リストを見るとどのエアラインで同社の呼称である「シートブロッカー」や「プレミアムアップグレード」を利用しているかがわかる。
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さらに進化したエコノミークラス
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航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。YouTube チャンネル「そらオヤジ組」のほか、ブログ「Avian Wing」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。Facebook avian.wing instagram@kitajimaavianwing

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