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伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』誕生秘話。じつは原型となる「ヤンキーの雑誌」があった

バブルの時代、東京に暴走族はほとんどいなかった

 時代はバブルの絶頂期で日本中が浮き足立っていました。深夜の六本木には1万円札をヒラヒラさせながらタクシーを止めているサラリーマンで溢れ、若者たちはステータスとして、こぞって左ハンドルの外車に乗っていました。  そんな中、東京で暴走族を見ることなんてほとんどありません。正直に言えば、「今どき暴走族なんかいるんかいっ!」と疑問に思っていました。  のちに編集長から聞いた話ですが、じつは編集長もバブル絶頂期ということもあり「外車の雑誌」と「ヤンキーの雑誌」のどちらをつくるか悩んでいたそうで、両方出してみて売れたほうをレギュラー化させようと思っていたそうです。  なんにせよ、ヤンキーの雑誌は東京で売れなくとも“地方”に潜在読者がいると編集長の頭の中ではイメージがあったとのことで、さすがと思いました。 (まあ、どちらの雑誌をつくるにしても、確かに両方とも車が出てくるのは間違いないので、編集長が私に対して嘘をついているわけでもないんですが)

原型となる雑誌『ツッパリ少年少女カタログ』

ツッパリ少年少女カタログ

写真は、『ツッパリ少年少女カタログ』

 さて、外車の雑誌の話は割愛しますが、「ヤンキーの雑誌」として発売された本のタイトルが『ツッパリ少年少女カタログ』です。
ツッパリ少年少女カタログ

写真は、『ツッパリ少年少女カタログ』より

 もちろん、その時点ではティーンズロードは無いわけなので、ゼロからのスタートです。知り合いのツテを辿って、ヤンキーの写真を借りたり、暴走族が集まりそうな場所まで行って写真を撮らせてもらったり、必死にネタを集めてつくった一冊。初めて本をつくって、それが売れたというのは私自身とても嬉しかったです。
ツッパリ少年少女カタログ

ヤンキーの私服ページ。写真は、『ツッパリ少年少女カタログ』より

ツッパリ少年少女カタログ

改造パーツのカタログページ。写真は、『ツッパリ少年少女カタログ』より

 内容は、ティーンズロードのようにレディース(女暴走族)がメインではなく、「ヤンキーの歴史」「改造パーツカタログ」「不良系男女の投稿写真」「不良のファッション」等々、読み物系の企画が多かったと記憶しています。
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社会現象に…
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伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』をはじめ、改造車だけを扱うクルマ雑誌『VIP club』や特攻服カタログ『BAMBO』、渋谷系ファッション雑誌『MEN’S KNUCKLE』など、数々の不良系雑誌の編集長を務めて社会現象を起こす。現在は、大洋図書発行の実話誌『実話ナックルズ』のYouTubeチャンネル「ナックルズTV」や、ギャル男雑誌『men’s egg』をWebで復活させたYouTubeチャンネル「men’s egg 公式」のプロデューサーとして活躍中。

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