伝説の“レディース総長”たちが出演するビデオが平成時代に存在。チーム対抗のドッジボールや「ねるとん」も
こんにちは。伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』3代目編集長をやっていた倉科典仁と申します。ティーンズロードは1989年に創刊され、90年代には社会現象に。現在は休刊となっておりますが、そんな本誌に10年以上携わっていました。
暴走行為(共同危険行為等)は決して許されるものではありませんが、時を経て、編集者として今振り返る「暴走族」の姿とは……。
私は編集長に就任する以前、じつは約3年間にわたってティーンズロードのビデオ版『かっ飛びエンジェルビデオ ティーンズロード』(通称ティーンズロードビデオ)なるものを作っていました。
今ではSNSで誰でも簡単に動画を配信することができますが、当時はそのような手段はありませんでした。携帯電話も一部のお金持ちしか持っていないような時代です。
ティーンズロードの雑誌が10万部を超え、絶好調だった頃。私は、編集部員として全国のレディースチームを取材する毎日を送っていました。そんな時に、ふと思ったんです。
「もしかして、編集部員がインタビューして文章で書くよりも、ティーンズロードで人気のあるレディースの総長たちが全国のチームを動画でリポートしたら面白いのでは……?」
これを企画書にして当時の私のボスである編集長(※)にプレゼンしたところ「やってみれば~?」と、すんなりOKが出ました。そして、すぐさま着手することになったのです。
(※)2022年に第29回小学館ノンフィクション大賞において『特攻服少女と1825日』で大賞を受賞した比嘉健二氏
ビデオの内容は、テレビのバラエティー番組などでスタジオに司会者がいて進行をしながら全国各地のグルメや最新事情をリポートするという構成をオマージュしました。まあパクリとも言います(笑)が、今では当たり前になっていますよね。
本来はタレントさんやお笑い芸人さんがやることが多い地方でのリポート役を、ティーンズロードで人気があった元レディース総長たちにお願いしました。
彼女たちが全国各地に飛び、現役のチームにガチンコでインタビューするというスタイルです。正直、元総長とはいえ、まだ20歳前後くらいだったので、現役の子たちと揉めたり、喧嘩になったらマズイな……と内心ヒヤヒヤしながらロケを開始しました。
しかし、それは杞憂でした。逆に現役チームの子たちは元総長のリポーターに会うなり、
「〇〇さん! いつもティーンズロードで見てます! 写真より実物のほうが綺麗でカッコ良いっすね!」
「記念に一緒に写真撮ってもらえますか~!」
「私たちのチーム名入れてサインもらっていいっすか!」
などと、まるで芸能人に会ったような感覚です。
これにはビデオの制作スタッフたちも大変驚き、同時にホッとしたことを覚えています。
SNSが無かった時代の“暴走族”専門ビデオ
雑誌で人気の元レディース総長が現役チームにインタビュー!
伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』をはじめ、改造車だけを扱うクルマ雑誌『VIP club』や特攻服カタログ『BAMBO』、渋谷系ファッション雑誌『MEN’S KNUCKLE』など、数々の不良系雑誌の編集長を務めて社会現象を起こす。現在は、大洋図書発行の実話誌『実話ナックルズ』のYouTubeチャンネル「ナックルズTV」や、ギャル男雑誌『men’s egg』をWebで復活させたYouTubeチャンネル「men’s egg 公式」のプロデューサーとして活躍中。
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