暴走族の撮影中に「あわや大惨事」のハプニング。総長の引退式で突然の“ドカンッ!”という爆発音にゾッ
こんにちは。伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』3代目編集長をやっていた倉科典仁と申します。ティーンズロードは1989年に創刊され、90年代には社会現象に。現在は休刊となっておりますが、そんな本誌に10年以上携わっていました。
この連載では当時の出来事や裏話などを紹介しているのですが、ティーンズロードは“読者参加型”の雑誌でした。1か月のうち半分はどこかの地方の暴走族たちの取材に出かけていましたね。
取材対象の方たちは御存知の通り「ヤンキー」なので、毎回なにかしらのハプニングに遭遇します。30年ぐらい経った今では笑い話になっていますが、今回はその中でも“もうダメかもしれない”と思った取材秘話をお届けしたいと思います。
ふつうの雑誌の編集者では、こんな体験はなかなか無いはずです。リアルな昔話としてお楽しみいただければ幸いです。
それは2月の冷たい雨が降りしきる日でした。数日前に「チームの総長が引退式をやるので来てほしい」と取材のオファーがあり、私とカメラマンは某高速道路のパーキングエリアまで行くことになりました。
現場に向かう途中、雨がみぞれに変わり「こんな中で本当に引退式なんかやるのか?」と思っていました。すると後方から、何十台もの爆音が聞こえてきました。この荒れた天気の中で、屋根をぶった切ったオープンカーや単車が旗をなびかせて暴走する。
車を運転していた私は、カメラマンに「スピードをゆるめるので写真を撮ってくれ」と頼み、彼らを先に行かせることにしました。
土砂降りの中でオープンカーの車中に立ち、勇敢に叫び声をあげる男性がいました(彼が総長だと後から知りました)。その後には、20台~30台の単車が追いかけるように走っています。もちろん、全員がびしょびしょの状態です。
普通なら2月の寒さとみぞれで心が折れそうなところですが、彼らの表情は至って“楽しそう”なのです。はたから見ると心配で「大丈夫?」と思いましたが、彼らにとっては総長の引退式であり、暴走中は興奮状態で寒さも忘れていたのでしょう。
暴走族の取材で“もうダメかもしれない”と思ったハプニング
みぞれの降る高速道路で叫ぶ暴走族の総長
伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』をはじめ、改造車だけを扱うクルマ雑誌『VIP club』や特攻服カタログ『BAMBO』、渋谷系ファッション雑誌『MEN’S KNUCKLE』など、数々の不良系雑誌の編集長を務めて社会現象を起こす。現在は、大洋図書発行の実話誌『実話ナックルズ』のYouTubeチャンネル「ナックルズTV」や、ギャル男雑誌『men’s egg』をWebで復活させたYouTubeチャンネル「men’s egg 公式」のプロデューサーとして活躍中。
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