更新日:2023年09月11日 17:45
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先進国の中で圧倒的に短い日本の「平均睡眠時間」…一級建築士が警告する“短睡眠リスク”

ポイント1:部屋を真っ暗にする工夫をする

 睡眠不足の一つとしてあげられるのが、明け方に部屋が明るくなることで、早く眼が覚めてしまうことです。例えば関東の夏至における日の出は、4時25分です。  起床時間が6時の人にとっては、明け方1時間半もの間、うつらうつらしてしまう可能性があるわけです。そうならないためにやっておきたいのが、雨戸を閉めたり、暗幕カーテンや遮光1級のカーテンを設置したりして、出来るだけ部屋を真っ暗にすることです。  このように言うと「部屋が真っ暗だと朝起きられないのでは?」という疑問を持たれる方もいます。そこでお薦めなのが、「おはようタイマー付きの照明」です。これは、起床時間に合わせて、ゆっくりと照明が明るくなるもの。目覚めが悪くなる心配をしなくても済むようになります。

ポイント2:エアコンをフル活用する

世帯当たりのエネルギー消費原単位と用途別エネルギー消費

世帯当たりのエネルギー消費原単位と用途別エネルギー消費 ※日本エネルギー経済研究所「エネルギー・経済統計要覧」、資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」を基に作成

 夏場は家の中における熱中症、そして冬場は家の中が寒すぎてお風呂に入る時などにおこる血圧の上下動で引き起こされるヒートショックなど、家の中にも多くの危険が潜んでいます。そこでかしこく活用したいのが、エアコンです。  特に睡眠環境において、夏の冷房は必須アイテムです。しかし、2023年6月以降の全国的に光熱費が高騰したことによって、冷房を使わないようにしている家も増えています。  しかし、冷房は年間のエネルギー消費量の2%程度しかありません。暑い中で我慢して寝ると熱中症になったり、それ以外にも脳の熱が取れず寝ても疲れが取れない状況に陥ったりします。さらに冷房を使わないことでダニが大発生するリスクも抱えてしまいます。これらの背景からも自己投資として冷房を使うことをお勧めします
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エアコンと合わせて重要な湿度調整をしよう
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1970年、神戸市生まれ。一級建築士、株式会社G proportion アーキテクツ代表取締役。「地球と人にやさしい建築を世界に」をテーマに、デザイン性、機能性、省エネ性や空間が人に与える心理的影響をまとめた空間心理学を組み込みながら設計活動を行っている。これまで120件の家や幼保園、福祉施設などの設計に携わってきた。クライアントには、上場会社の経営者やベストセラー作家をはじめ「住む人が幸せになる家」のコンセプトに共感する人が集い、全国で家づくりを展開中

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