仕事

つけ麺の三田製麺所「並盛から大盛まで同一料金」のワケ。社長を直撃

つけ麺専門店として本物の味を追求

三田製麺所

2011年から発売を開始した期間限定の商品「灼熱つけ麺」

“つけ麺を日常食に”を掲げて2008年に創業した三田製麺所が15年もの間、多くの消費者に愛されてきたのはどのような理由があるのか。 「2000年代につけ麺ブームが台頭し、さまざまなラーメン店がつけ麺に力を入れるなか、三田製麺所のようにつけ麺だけで勝負するところはほとんどなく、稀有な存在でした。王道の豚骨魚介スープのつけ麺を軸に、2011年からは期間限定のメニューを投入し、『灼熱つけ麺』や『梅つけ麺』など季節定番の商品を開発することで、より多くのお客様に、三田製麺所に来店いただく接点を増やすことに注力してきたのです」  加えて、創業以来変わっていないのは麺量のサービスだ。 「美味しいつけ麺をお腹いっぱいお客様に食べてもらいたいという思いから、並盛(320g)・中盛(450g)・大盛(580g)は同一料金で提供しています。昨今における原材料高騰の厳しい環境下でも、企業努力によって同一の料金を維持しており、これも『たくさんつけ麺を食べたい』というお客様からご支持いただいているポイントになっています」

2軒目需要を捉えた「自家製唐揚げ」

三田製麺所

「からあげグランプリ」で金賞受賞の「自家製唐揚げ」(写真奥)と、秋定番の季節限定メニュー「濃厚煮干しつけ麺」

 また、一般的にラーメン店はカウンター席中心のレイアウトが主流だが、三田製麺所は当初から2フロアなど40席を超える店舗形態も多く、“2軒目需要”や“呑みの〆(シメ)需要”もあったという。  このような目的で来店する消費者に対し、つけ麺以外のサイドメニューも充実させることで顧客満足度アップにつなげてきたのだ。 「サイドメニューの中でも『自家製唐揚げ』は、つけ麺のおつまみに合う名物メニューとなっています。もともとは、からあげの聖地とされる大分県の中津市出身の営業本部長が地元の唐揚げの美味しさを伝えたいとの想いから商品開発したのがきっかけでした。今では多くのお客様から“専門店にひけを取らない”と言われる人気商品として親しまれています」
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商品開発で意識する“尖り”と“ニュース性”
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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