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「反戦デモに参加し退学処分」は見出し詐欺?…当の愛知大学広報部を直撃

処分を決断するに至った背景は…?

 今回の愛知大学での一件も、なんらかの理由で愛知大学が革マル派の排除を決断した中での動きではないかと考えられる。ゆえに関係者の間では『中日新聞』の記事は説明不足と断じられているのである。  いったい、記事に描かれた大学当局が処分を決断するに至った背景にはなにがあるのか。まずは、自治会に対してメールで取材を申し込んでみたが、返答はなかった。おそらく「あなた方は本当に革マル派なのか?」といった質問を添付したので、答えるわけにはいかないという判断なのだろう。  ただ「愛知大学豊橋校舎学生自治会」が革マル派の指導下にあるのは、否定しようもない事実である。現に、同派の機関紙『解放』9月25日号では「権力と結託した川井当局の自治会役員「退学処分」弾劾!」という見出しで記事を掲載。ここでは「マル学同東海地方委員会に指導された愛大のたたかう学生」は「政府・警察権力と結託した川井当局による「退学処分」攻撃をうち砕くために、秋学期を迎えた愛大キャンパスにおいて総力をあげて闘いを創造している」とし「愛大自治会のたたかう学生は、サークル員たちとともに、これを粉砕する闘いを大爆発させることをここに宣言する」と記している。  これを読めば大学当局による学生弾圧ではなく大学当局VS革マル派の争いなのは一目瞭然。なぜ『中日新聞』の記者はそこまで書かなかったのか……。

愛知大の広報部を直撃した

 とはいえ、これでもなお判然としないのは、なぜ愛知大学当局がいまになって革マル派排除を決意したのかということだ。自治会側の情報から学生会館の管理権を大学側が抑えたなどの動きはわかるが、その理由がわからない。  そこで愛知大学広報部に「一連の動きは、革マル派の排除が目的なのか?」と率直に尋ねてみた。しばし言葉につまった担当者は、こう答えるに止まった。 「退学処分などが報じられていますが、それは個人情報にあたるので回答できません。それに、理由はほかにも……なので今回はコメントは控えさせてください」
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現役教員の回答は…
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ルポライター。1975年岡山県に生まれる。県立金川高等学校を卒業後、上京。立正大学文学部史学科卒業。東京大学情報学環教育部修了。ルポライターとして様々な媒体に寄稿。著書に『コミックばかり読まないで』『これでいいのか岡山』

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