更新日:2023年10月23日 10:47
カーライフ

伝説のスポーツカー「GT-R」がEV開発のレガシーに?日産“インフラ投資だけで250億円超”EV戦略の全貌

ショッピングモールへの展示で新規層の開拓

日産自動車

ショッピングモールで日産のEV車種を展示する様子

 加えて、マーケティングでは「ショッピングモールの展示」を通じて、日産のEVブランドの認知向上や興味喚起を図っているという。 「イオンなどのショッピングモールにEVの車種を展示し、EVをまだ知らない新規のお客様にアプローチする試みを行っています。その際は地域の販売店スタッフがお客様と応対するわけですが、スタッフ自身もEVに乗っているため、リアルな“オーナーズボイス”をお客様に伝えることで、『EVを知るところから興味を持ち、販売店での試乗へ』という態度変容につながることも結構多いんですよ。普段からEVを乗りこなしている日産のEVオーナーの皆さまの声はとても重要視していて、実際に販売店へ来てもらい、普段のEVの使い方・魅力を語ってもらう機会を、各地域にて設けてもらっています」
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「GREEN PASSプロジェクト」第3弾では、高速道路のパーキングエリア内にEVオーナー専用スパを設置した

 また、EVの普及とEVオーナーのカーライフを充実させるための施策「GREEN PASSプロジェクト」も定期的に開催。メーカー問わず、EVのクルマを所有するオーナーに向けた優遇サービスを提供するもので、毎回評判を得ているそうだ。

「EVなら日産」というブランドイメージ

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2021年に発売した日産「アリア」

 日産はリーフに続き、2021年にはSUVの「アリア」、2022年には軽EVの「サクラ」を発売し、EVのラインナップを拡充させている。特にサクラは販売開始から約1年で受注5万台を突破。日産によれば2022年度のBEV国内販売台数の約4割をサクラが占めているそうだ。  3車種が揃ったことで、「日本のドライバーがクルマを購入する際に検討するボディタイプのセグメントの約7割をカバーできるようになった」と寺西氏は述べる。 「EVの車種を増やしているのは、お客様ごとの多様なライフスタイルやニーズから車を選ぶ際に、例えばSUVタイプからクルマを探しつつ『ガソリンか、ディーゼルか、EVか』と当たり前のように比較検討される状態を作りたいからです。特にサクラに関しては『セカンドカー需要』を取り込むことができていて、幅広い層のお客様がEVに興味を持ってもらえるようになったと感じています」
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EV市場の底上げに貢献できるかが勝負
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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