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サッカー日本代表は本当に強くなっているのか?「5年前の代表」と戦績を比較して分かったこと

ボール保持率やシュート数は?

 スコア以外にボール保持率やシュート数という数値を比較してみよう。5年前の6試合は以下のとおりとなっている。 【対戦相手:保持率:シュート数:被シュート数】 コスタリカ:49.4%:14:6 パナマ:56.7%:10:4 ウルグアイ:49.9%:14:9 ベネズエラ:53.7%:12:8 キルギス :66.2%:15:1  続いて、今年に行われた8試合は以下のとおり。 【対戦相手:保持率:シュート数:被シュート数】 ウルグアイ:53.5%:4:8 コロンビア:51.2%:5:11 エルサルバドル:54.3%:20:4 ペルー:41.8%:10:4 ドイツ:35.0%:14:12 トルコ:45.0%:11:12 カナダ:46.4%:18:6 チュニジア:56.6%:17:1

ボールを保持してもシュートに結び付けられなければ…

 ボール保持率に関しては、5年前が50%を超える試合が3試合、今年が4試合となっている。平均すると5年前が55%ほどで今年は50%を切る数値になるが、異例のドイツ戦とトルコ戦を除けば50%ほどになり、ボール保持率はやや低くなった。  シュートを打った本数を比較すると、5年前は1試合平均で13.0本となり、今年は12.4本となった。同様に異例の2試合を除くと平均は12.3本となるが、いずれにしても5年前よりはシュート数が少なくなっている。  また、シュートを打たれた本数は、5年前が1試合平均5.6本で今年は7.3本となった。同様に異例の2試合を除いて計算すると5.7本となり、こちらは5年前と変わらない数値となった。  ボール保持率とシュート数は必ずしも比例するわけではない。森保ジャパン再始動直後のウルグアイ戦とコロンビア戦では、いずれも保持率では相手を上回っているがシュートまで結びつけることができずに、相手にボールを持たされていた状態といえる。逆に、ドイツ戦では保持率は相手より下回っているがシュート数は上回っており、日本が意図的に相手にボールを持たせてゲームを支配した内容だった。  新しいメンバーで新たな戦術にトライしようとした最初の2戦と、試合序盤に退場者が出たエルサルバドル戦を除けば、シュートを打った数も打たれた数も大きな差がないことがわかる。
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数値は変わらないように見えるが、対戦相手が違う
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スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
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