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大物タレントが「空気の読めないSNS投稿」をしてしまう理由。“神格化されたキャラ”を押し通す難しさ

炎上を厭わない確信犯的な投稿も増加

初対面の相手に「政治、宗教、プロ野球」の話を振るのは控えたほうが良いと聞いたことはありませんか。これらには確固たる正解がなく、対立を生む火種となってしまう話題は避けるべきと考えられていたのです。 現在の芸能界においても、特に政治や宗教関連の話題が積極的に取り上げられる機会はほとんどありません。 例えば情報番組にコメンテーターとして出演している芸能人がそれらに関連するコメントを求められたとしても、その場の思いつきで発言しているわけではなく、自身の発言が物議を醸すことが無いように、あらかじめ話題の内容を知らされたうえで綿密に打合せをしたうえで収録に臨んでいます。 ただ、最近の傾向として、あえて世間とは逆張りの投稿をしたり、相手を敵視し感情的に罵ったり、陰謀論に傾倒したり、政治的主張を声高に掲げる有名人も増えつつあります。 投稿した本人が意図しないところで炎上させてしまうケースもありますが、エンタメを提供する芸能人や有名YouTuberが、敢えて憎悪や対立を生みだすような投稿を意図的に繰り返しているケースも見られます。

「芸能人という環境」の特殊さ

多様な価値観が混在する世の中で、人気商売である芸能界で仕事を続けていくには、敵を作るのは得策ではなく、世論やスポンサーへの配慮など、ある意味“八方美人”でいることを強いられます。 そのような環境の下で、世間体を顧みずに言いたいことを自由に発言したり、自身の考える絶対的な“正義”をはっきり主張したくなる衝動に駆られ、感情的にSNSに投稿してしまうこともあるかもしれません。 しかしながらそれらの主張が極論であったり、世間が理解しがたい内容であれば、当然ながら炎上の要因となってしまう可能性が高いでしょう。
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SNS運用の難しさが露呈した騒動か
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在京テレビ局関連会社、一般企業広報、人材教育コンサル会社を経てネットコンテンツ管理業務に従事。これまで数多くの問題投稿に向き合ってきた経験とメディアやコンサル業界で培った見識を活かし、ネットリテラシー向上を目的とした講演や評論活動を行う。一般社会人や中高生、教育関係者、芸能関係者等に特化した独自の研修プログラムを提供している。温泉ソムリエ、温泉入浴指導員、アンガーマネジメントファシリテーター、国内A級ライセンス資格を所有。
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