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大物タレントが「空気の読めないSNS投稿」をしてしまう理由。“神格化されたキャラ”を押し通す難しさ

SNSを上手く使いこなすコツは…

これは芸能人だけでなく一般のSNSユーザーにも共通していえることなのですが、SNS運用が上手い人は、基本的には敵を作らず、自身の言動が世間からどのような評価をされるのかあらかじめ予想したうえで、極論に走らずあらゆる層に配慮した投稿を行います。 有名人の場合は、どのような投稿を行ったとしても、いわゆるアンチ層から誹謗中傷や“クソリプ”を集めることもありますが、それらには一切反応せず、常にポジティブな話題でユーザーを笑顔にするよう心がけている人はイメージアップに繋がります。 自らの考えを主張するためではなく、いわゆる“ファンサ”や、ファンのすそ野を広げるためのツールとしてSNSを利用しているのです。 逆に、不平や不満、愚痴、悪口など他者を見下したり攻撃するようなネガティブな投稿はもちろん、これまで俺様キャラを貫いてきた芸能人が、自身の価値観や考え方に固執し、思ったことをそのまま感情的に投稿したり、時代の変遷に合わせて価値観のアップデートが出来なければ、当然ながら投稿が炎上してしまうリスクは高まります。

SNS運用の難しさが露呈した騒動か

今回のジャニーズの一連の騒動では、全盛期当時の価値観に囚われ周辺への配慮に欠ける自分本位の投稿は、現在の世間の価値観とのギャップが大きく、かつて一世を風靡した大物芸能人の影響力をもってしても、多くの批判を集める結果となってしまいました。 しかしながら芸能人の場合は、炎上リスクを減らすためとはいえ、バランスの取れた“無難な”投稿は、キャラとしての個性を潰してしまうことにも繋がりかねない難しさもあるでしょう。 投稿や主張の内容が、あくまでキャラとして世間に受け入れられるのか、それとも人間としての本質と捉えられ批判に晒されるのか、その見極めは困難ではありますが、社会に大きな影響力を持つ者として、それらをより慎重に判断することが求められます。 <TEXT/井ノ口樹(いのくちたつき)>
在京テレビ局関連会社、一般企業広報、人材教育コンサル会社を経てネットコンテンツ管理業務に従事。これまで数多くの問題投稿に向き合ってきた経験とメディアやコンサル業界で培った見識を活かし、ネットリテラシー向上を目的とした講演や評論活動を行う。一般社会人や中高生、教育関係者、芸能関係者等に特化した独自の研修プログラムを提供している。温泉ソムリエ、温泉入浴指導員、アンガーマネジメントファシリテーター、国内A級ライセンス資格を所有。
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