仕事

先に名刺交換する「新入社員」を上司が一喝!“驚きの言い訳”で辞めていくまで

「小さい頃からのクセが…」

「空気が読めないというよりは、わざとやっている感がありました。最初のクライアントでは、先方と事前にやり取りをしていた僕が上司を紹介し、そのあとSを紹介する順番。事前に打ち合わせもしていたのに、Sが勝手に挨拶をして名刺を交換してしまったのです」  それはすでに、職場の上司や同僚からも注意をされていたことだったし、だからこそ事前に紹介する順番も打ち合わせた。それなのに、事前の打ち合わせを完全に無視して暴走。上司がやさしい口調で注意を促しても、まったく聞く耳を持とうとしない。 「その言い訳がスゴくて、『小さい頃から自営業の父に、常に人より前に出ろって教えられてて、そのクセが……』と言うのです。そして、改善はみられない。それでも上司は、粘り強くSを諭し、どうにか教育しようと頑張っていました」

上司が「ビジネスマナーを勉強し直せ」と喝

名刺交換

※画像はイメージです

 けれど、Sが言動を変えようという様子は一切みられません。それどころか、どんどんと開き直って態度が大きくなっていくようだった。そんなことが続いたある日、営業帰りの車で、ついに上司が「Sは、この仕事辞めたいの?」と尋ねたのだとか。 「Sが驚いた様子で、『えっ? そんな、辞めるとかは考えてないです』と即答した次の瞬間でした。普段は温和な上司が、冷たくキツい口調で『だったら、ちゃんとしろよ。何回も注意されてるんだから、挨拶の順番ぐらい守れよ』と叱ったのです」  そして、「人が営業トークしてる最中にトイレの場所を聞いたり、音を立てて出された飲み物を飲むな。成立する契約もダメになってしまう。お父さんの教えを貫くなら、お父さんとこで雇ってもらえ。この会社で働くなら、ビジネスマナーを勉強し直せ」と続けたのだ。
次のページ
叱責されたSは1日無言で過ごした
1
2
3
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意

記事一覧へ
おすすめ記事