仕事

「タイパ重視のデキるヤツ」と“勘違いした”新入社員。先輩の神対応で性格が変わるまで

尊敬する先輩は「いつも飲み会に行ってる」

 そしてほとんどの片付けが終わった頃、T浩さんが呆れたように「職場の人たちって、食事会とか飲み会とか、めっちゃ誘ってきません? H基先輩も行かないでしょ? 食事会なんて。時間のムダですよね、あんなの」と尋ねたのだ。  すると先輩は「俺、いつも行ってるよ。母親の体調が悪いから長時間の参加は無理だけどできるだけ参加してるよ」とサラリ。事情を知らなかったT浩さんは、かなり困惑していたようです。  そんな様子をみて、H基先輩はすぐに「タイパとかムダな時間とかよく口にしてるけど、車もブレーキに遊びがないと大事故につながるからね。実は、ムダな時間も大切。生きててムダなことなんてないよ」と続けたという。もちろん、T浩さんは納得がいかない様子だ。

話していたことが契約のキッカケに

飲み会

※画像はイメージです

 そこからH基先輩は「営業って、人と人とのつながりがすごく大事。俺もT浩みたいに考えてた時期もあったけど、面白おかしく話していたことが契約のキッカケになることも多かったんだよね」と自身の体験も交えながら話し続けます。  さらにH基先輩は「T浩も試してみたらいいよ。今日の食事会、いっしょに行かないか?」と笑顔で誘ったのだ。さっきまで飲み会に誘う職場の人たちをバカにしていたT浩さんを強い口調で叱るでもなく、正論をぶつけるでもない。T浩さんのプライドを傷つけないよう配慮。 「そして、笑顔で食事会に誘ったのです。なかなか、できることではないと思いました。これにはT浩も思うところがあったのか、しぶしぶ『はぁ……』と返事し、食事会へ参加。でも、その食事会がT浩を変えることになりました」
次のページ
契約を渋るクライアント担当者との食事会に
1
2
3
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意

記事一覧へ
おすすめ記事