更新日:2023年11月11日 19:44
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SNSで話題“港区の魔女”の壮絶すぎる半生。「見た目はヤンキーだから寂しいなんて言えない」

「韓国人は診ない」と病院を門前払いに…

 現在でこそ有名企業の会長まで登り詰めたが、もとは町の荒くれ者。当然、近所からの評判も悪かった。くわえて、出自による差別もひろねぇ氏を苦しめた。 「父は日本人と韓国人のハーフで、母は韓国人でした。父の気性や事業の性質などから、家の周辺はあまり治安がいいとは言えず、私は小学生のころ、誕生日会に招待した友人から『お宅には近寄ってはいけないとお母さんに言われてて』と断られて、泣いて帰ったりしていました。  また、具合の悪いときに診察を受けに行っても、医者から『韓国人は診ない』と門前払いにされたこともありました。激怒した父親がその小児科に乗り込んでいって、暴れ回ったりするのですが……」

どこにも安住の場所がなかった

   小学校時代、陰湿ないじめに遭ったひろねぇ氏。学校でも家庭でも有形無形の暴力に晒された経験が、非行に走るきっかけになった。 「朝、昨日まで仲良くしていた友人を含めて女子全員からシカトを食らうなどはザラにありました。ちょうど父親も事業で試行錯誤していた時期で、日によって機嫌がまったく違いました。学校では突如として無視をされたり、家ではいつどんな理由で鉄拳が飛んでくるかわからない。  そんな環境で生きていくうち、『強くならないと』という思いが私のなかで膨れ上がりました。同時に、周囲に対して『みんな死ねばいいのに』という広域の怒りを常に持っていました。暴走族とつるんだり、チーマーっぽいことをしてみたり、いろいろな悪い仲間と知り合うようになったのは、その表出だと思います。  高校生になってからは父の事業が拡大して生活はかなり豊かになりましたが、ここまでくるのに家族の時間や触れ合いなど、さまざまなものを犠牲にしてきたなとは感じます」
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孤独だった学生時代に救いとなったのは…
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ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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