更新日:2023年11月11日 19:44
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SNSで話題“港区の魔女”の壮絶すぎる半生。「見た目はヤンキーだから寂しいなんて言えない」

毅然とした態度は「誹謗中傷加害者」を減らすため

「誹謗中傷をした人に対して、粘着質に追いかけ回し、法的措置も辞さないことは、『こんな面倒なやつに絡まれるくらいなら、誹謗中傷なんてやめておこう』と思うきっかけになってくれるんじゃないか。そう期待して、時間を割くことにしています。加害者を減らせば、結果的に苦しむ人が減るからです。  今回、誹謗中傷をしてきた“研修医”は、結局札幌には現れませんでした。しかしフォロワーに対して、私が有言実行を示せたことは、本気を理解してもらえたのではないかと思います」  指先だけで気軽に他者を傷つけ、さしたる反省もなく生きる人間に対し、ひろねぇは何を思うのか。 「誹謗中傷を行う人間が許せないことは変わりません。今後も毅然とした態度で対応することに変更はありません。ただ、ネット上でしか強い言葉を使えない人は、現実世界で誰かに蔑まれるなどの体験がある場合が多いことはわかっています。これまで開示請求した相手のほとんどは、『プライドが高く、人と比べることでしか幸せを感じられないのに、現実はうだつが上がらない』タイプでした。  スマホ画面の向こうの人をけなす労力を、別の方向に向けることができれば、きっと誰もが今よりも自分を好きでいられるのではないかという気もしています。そうやって踏ん張れる土台のある社会が構築できれば、多くの人がもっと笑って過ごせるのではないかと思うのですが」  ネット最強の喧嘩番長は、言葉によって人が救われることと傷つくことの両面を熟知しているからこそ、身を削りながらそれを世に問い続ける。いわれのない暴力に深く傷ついた経験があり、一時は世の中を呪う感情に堕したひろねぇ氏。彼女の深い懐には、逆境に溺れた“生き方の難民”にさえ届く言葉が光っている。 <取材・文/黒島暁生>
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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