更新日:2023年11月11日 19:44
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SNSで話題“港区の魔女”の壮絶すぎる半生。「見た目はヤンキーだから寂しいなんて言えない」

【才媛】 才能の優れた女性――。だが挫折なき才能に、人が魅せられることはない。本連載では、生きるのに不自由しない輝きを持ちながら、それに甘んじることなく挑戦し続ける風変わりな女性たちの半生を紹介する。  ネット上における誹謗中傷はもはや日常風景と化し、多くの場合、当事者以外からの関心を呼ぶことは皆無に等しい。だが今年10月、X(旧Twitter)上でフォロワーすらも巻き込んだ“舌戦”が繰り広げられた。  発端は、起業家でインフルエンサーのひろねぇ氏(@piromi0407)の投稿だった。   〈「俺ひろねぇさん全っ然イケます!」と28歳(20歳歳下)の男性に言われたんだけど思わず「いやいや、まずそもそも狙ってくれって一言も言ってねえし「私恋愛対象?」とも聞いても居ないし大体イケると20代に言われたからって40代女性が喜ぶと思ってんじゃねーぞ?」と言ってしまい場の空気を凍らせました。なに?ババアは若い人から求められてるみたいな事言われたら喜ばなきゃ何ない訳?そもそも20代って娘息子の歳と近くてこっち側からしたら恋愛対象に入って無い可能性だってあるだろ…。それともなにか?40代女は自分の好みとか度外視して必死で自分を求めてくれる人のみを受け入れろってか??そんなのごめんだね。〉 (原文ママ)
ひろねぇ氏

ひろねぇ氏

「ババア」と書き込んだ相手に会いに行った

 この投稿に対し、「年齢に負い目を感じてる」「ババア」などと書き込んだ“自称研修医のユーザー”に、すかさずひろねぇ氏が反応した。  DMでの応酬を双方が同時中継し、やり取りが可視化されると、フォロワーも沸いた。札幌市にいるという自称研修医のユーザーに対し、ひろねぇ氏は「会いに行く」と啖呵を切った。ひろねぇ氏はSNS上でも身分を明かしており、顔も出す形で活動しているが、相手のユーザーは確定できる素性を一切明かしていない。多くのフォロワーがひろねぇ氏の身の安全を心配するなか、ひろねぇ氏は東京から札幌へ飛び立った。  ひろねぇ氏といえば、“港区の魔女”と呼ばれるセレブ。実家は南青山にプール付きの敷地を構える。豪勢な暮らしぶりでも知られ、反面、これまでもアンチから多くの誹謗中傷被害に遭ってきた。  今回、彼女が身銭を切って時間を消耗してまで札幌へ向かったのには、どんな思惑があるのか。ひろねぇ氏の半生を取材するとともに、その真意を聞いた。

20歳になったら父親を殺そうと思っていた

 現在、レンタルスペース業、化粧品会社経営、婚活事業、不動産投資家などマルチな才能を発揮するひろねぇ氏がアップする写真は、有名人との広い交友関係を伺わせるものが多い。父親は、誰もが知る大手企業を一代で立ち上げた創業者だ。  だが必ずしも、その幼少期は順風満帆ではなかったとひろねぇ氏は振り返る。 「私のことをセレブだという人がいるのですが、自分では“セレブ界の野良猫”だと思っています。特に父の会社が軌道に乗るまでの高校くらいまでは、家は貧乏でしたし、すぐにキレて当たり散らす父の存在は脅威でした。  小学生のころ、『鉛筆を買ってほしい』と父にお願いしたら、『今せっかく寝たところなんだから起こすな!』と言って殴られ、顎の骨にヒビが入ったこともあります。母も父から殴られて入院したり、今で言うところの“毒親”でしょう。冗談抜きに、自分が20歳になったら父親を殺そうと思っていました。  父は家族以外にとっても怖い存在でした。たまたま入ったお店でチンピラに絡まれたときのことは未だに思い出します。当時は父も事業を始めたばかりで、そのチンピラは『誰に断って商売をしているんだ』というようなイチャモンをつけてきました。すると父は、履いていた下駄で相手をぶん殴って歯を砕いたのです。とにかく漫画のキャラクターのような、逸話に事欠かない人です」
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「韓国人は診ない」と病院を門前払いに…
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ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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