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90歳超えの祖父が借金200万円の保証人に…「70代老婆の色仕掛け」が極悪すぎる

貸付をしぶると態度が一変

 金森さんは、思っていても口に出したら絶対に貸付などしてもらえないようなことも、平気でペラペラと言って退ける。さらに「あなたとは、かれこれ10年近くの仲じゃない!」などと続けた。しかし、筆者は「今回は10万円が限度」だと言った。 「こんなに長い付き合いなのに、10万円しか貸してくれないとこないの? こんなシケた金融会社、いまに返済してやるわ! あとで『やっぱり借りてください』って言ってきても、借りてあげないからね」  つい最近までウソ泣きまでしながら「明日は必ず入金します」「来週は、まとまったお金が入る」と支払日を引き延ばしていた人間とは思えない。本人が気づいていたかは不明だが、少し前に遅れた分を支払いに来て退店する際には、ズボンに穴が開いていたこともある。

全額を返済しにやってきた女性

契約書 その様子を見ていた私の上司は「ちょっとずつ恩給からお小遣いをもらえばいいものを、欲を出して失敗するんだろうな」とポツリ。しかしその予想は外れることになる。  数か月後、金森さんは全額を返済しにやってきた。これまでSさんが貯めていた恩給や貯金の大半を自分の通帳に入金させ、他社では保証人までさせることに成功したらしい。つい、どのような方法を使ったのか尋ねてみた。 「私は寂しさを埋めてあげただけ。息子夫婦は同じ敷地内に住んではいるけれど、離れにいるジーサンには食事を持ってくるだけで、私がいても気づかない。会話もなければ、いっしょに出かけることもないってほら、やっぱり寂しいでしょ。ちょっと気があるフリをしたらイチコロですよ」
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息子夫婦が見たら「通帳はすっからかん」
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フリーライター。複数の金融業者に長く勤務。レアで波乱な人生経験を送ってきた

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