東急、東武、小田急、西武…“私鉄四社”で分かれた明暗。「運賃の値上げ額」が分岐点に
中小企業コンサルタントの不破聡と申します。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、「有名企業の知られざる一面」を掘り下げてお伝えしていきます。
JRをはじめとした鉄道会社は、新型コロナウイルス感染拡大以降、乗客数は完全回復しないだろうと言われていました。日常を取り戻した今、それは現実のものとなって数字に表れています。鉄道会社によってその影響に違いが生じています。
東急、東武、小田急、西武の2023年度上半期(2023年4-9月)の運輸事業の売上高を、コロナ禍を迎える前の2019年度上半期(2019年4-9月)と比較していきましょう。
最も下がり幅が少なかったのが東急。売上高はコロナ前比3.5%減の1038億円でした。小田急が6.9%の減少で850億円。続いて東武が7.6%減の1034億円となりました。
そして、2桁減で影響が大きかったのが西武。12.6%減の734億円でした。西武鉄道の輸送人員を比較すると、2019年4-9月は定期利用者が2億1200万人、2023年同期間は1億7100万人で2割減少しています。定期外は1億2400万人から1億900万人へと1割超縮小しました。
東急はコロナ前の水準は回復していないものの、堅調に推移しています。2023年度上半期の売上高は、コロナ前比で3.5%減の1038億円でした。
輸送人員は、2019年4-9月の定期利用者が3億7700万人、2023年同期間が2億9100万人。やはり2割超減少しています。定期外は2億4000万人から2億3400万人。定期外の利用者は、ほぼ同じ水準まで回復しました。
定期外の利用者数が回復している要因の一つに、東急新横浜線の開業があるでしょう。2023年3月18日に新横浜駅と日吉駅を結ぶ路線が開通しました。上半期に1300万人あまりを輸送しています。
コロナ前比で売上高は2桁減の西武
「東急新横浜線の開業」が回復の要因か
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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